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フロンティアを駆け抜けて
子供たちの決意
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ただし直接命じたことでなければ平然と逆らうとんだじゃじゃ馬だった。アルカはため息をつく。

「……あなたにも同情される謂れなんてないのです。こんな男の悪事に協力するしかないなんて不運なのは事実ですがね」
「ちっ……」

 アマノは舌打ちしてアルカを見た。アルカは行き場を亡くしたところをアマノに命を拾われた身であり、また当時のアルカが生き残るためなら手段を選べない子供であったために恩をあだで返されないためにアルカにも絶対服従の催眠術はかけられている。当時の自分の精神状態が原因でもあるからそのことについて一概にアマノが悪いと言うつもりはないが、命令に逆らえないというのはいい気分ではない。

「ともかくだ。想定外の事態はあったが、結果的にお前のおかげで計画は遂行できた」
「バーチャルシステムを管理するバトルファクトリーへのハッキングは成功したということですか」
「ああ。……明日が、決行日だ」


 アマノがこのフロンティアの支配者に取って代わるための計画。必要な布石は今日で撒かれた。アルカがダイバに攻撃を仕掛けたのはバトルファクトリーのブレーンが彼の保護者を担っているからであり、その人物の注意を少しでも引きつけることでバーチャルシステムへの侵入をするためだった。

「現オーナーからフロンティアを奪い返し、あの男とチャンピオンの計画を一掃する……この時を、どれだけ待ち望んだことか!」

 突然感極まって叫ぶアマノにアルカとドラコが眉を顰める。正直アルカにはアマノの目的に興味がない。

「はいはい、男の人って馬鹿ですよねー。そんな大きなことしなくても自分のご飯があって寝るところが確保できればいいと思うのですよ」

 その言葉はアマノのことだけではなく、フロンティアのオーナーやチャンピオンにも向けられていた。アマノによればこのフロンティアにはただのバトル施設以上の存在理由があるらしく、アマノはそれを阻止したいらしい。物心ついてからただ自分が生きることを考えるしかなかったアルカにはスケールが大きすぎて理解不能なのだった。

「それは小さすぎるぞアルカ! 誰であってもただ衣食住を確保する以上の生活を望み己を高めるべきだ。アマノが身の丈に合わないことをしようとしているのはそうだが、お前はそんな小さな女じゃないと私は認めているつもりだ!」

 ドラコの中で『黙れ』という命令の期間が終わったのか、またしゃべり始める。アマノもドラコが喋るたびに黙れと命じていてはきりがないのかもう一度命令はしなかった。

「……どーも、ありがとうございますですよ。それじゃあ明日頑張りましょうか、3人で」

 心底どうでもよさそうに褒め言葉を受け取りながらも、アルカは自分がしっかりしなければと思う。アマノは自分から見
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