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フロンティアを駆け抜けて
子供たちの決意
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あがったようにフロンティアのオーナーとしてできるだけ儲かるように手を打っている。利益を失うだけのメリットのないことはしない。

(逆に言えば、シンボルハンターを用意したのはその存在によって参加者にメリットが生まれるということ。 それってなんだ?)

 参加者、ひいてはこのフロンティアを運営する上でのメリットがあのシンボルハンターにはあることになる。ならばそれは何か。

(シンボルを奪う存在をオーナーであるパパが用意する。それはつまり、運営側がシンボルを奪う存在を認めたことになる……そうか)

「……繋がった」
「おぉー? もう察しましたか。さすが我が孫ですねぇー?」
「さすがダイ君ですね。さあ、パパに言ってみてください?」

 母親と祖父はダイバの答えが間違っていると全く思っていない。それもいつもの事だった。ダイバと話す時、父親は何かしら問題を与えてそれをダイバに解かせようとする。そしてそれにダイバは答えてきたからだ。

「バトルフロンティアでは、シンボルを持っている相手にバトルで勝つことでその相手が所有するシンボルを奪ってもいいルールが存在する……だよね」
 
 答えを聞いた父親は満足そうに目を細める。それはまるで人間を見下ろす巨竜のようだった。少なくともダイバには、そう見えた。

「正確にアンティルール、両者がシンボルを持っていることで成立するルールだがな。まあ本質は見抜いてるし正解ってことにしてやるよ。流石俺の息子だとな」
 
 父親が細かい条件を説明する。シンボルを持っている者だけに与えられる他の挑戦者からシンボルを奪うことのできるルールで、何個ずつ賭けるかは両者の合意が必要だが、挑戦された側には拒否権はなく挑戦が発生した時点で最低一個ずつは賭けなければいけない。ただしどんなルールでバトルをするかは挑戦を受けた側に決定権があり、望むならポケモンセンターで回復してから戦うことが出来るということだった。後半のルールは施設を出てすぐの疲れ切った相手を狙うことは出来ないようにするという配慮である。

「せっかくトレーナーがたくさん集まるのに、みんな施設に挑戦するだけでお互いにバトルしねえんじゃつまらねえだろ? だからこのルールを用意したんだ」
「じゃあ、明日にでも揃うっていうのは……」
「ああ、あいつの娘と合わせて7つそろったらそいつから奪え。お前の方が強いってルールに則って証明しろ」

 完全に命令だった。それをダイバが聞くと疑っておらず、ジェムとダイバの関係がどうなるかについても特に考慮していないようだった。そんな父親の言葉に、ダイバは――

「……わかった。僕の方が強いなんてもうわかってるけど」

 拒否することなく、従った。もともとジェムと一緒に行動したの
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