子供たちの決意
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「もちろん構わない。ルビーに無事合流したことも伝えたいしな」
サファイアが頷き、どうせなら私のパソコンでお互いの顔を見ながらにしようと言いながらノートパソコンを開く。サファイアが別の地方に出ていて当分帰ってこれないときは、ジェムも母親のルビーと一緒に通話したことがあるので知っている。いつも連絡が来るとジェムが飛びついて操作して、3人で喋るのがなかなか父親が帰ってこない時の楽しみだった。
連絡を入れるとほどなくしてルビーが顔を見せた。いつもとあまり変わらない静かな表情を、ジェムは緊張しながら見つめる。
「こんばんは。聞こえているか、ルビー? さっきジェムとジャックさんに合流できた」
「……」
「お、お母様……?」
サファイアとジェムが話しかけてもルビーは反応しない。少し困り顔で自分たちを見ている。それだけで、ジェムは自分のせいではないかと無性に不安になってしまった。だがルビーが指一本でパソコンを何度か触ると、ほっとした表情になる。
「えっと、これで……聞こえてるかな?」
「ああ、聞こえているぞ」
「まったくもー、古代人の僕より機械音痴なのはどうかと思うよ?」
そういえば母親はパソコンをいじるのが苦手だったと思いだす。いつもはジェムが通話ボタンを押しているから、あまり自分で触ったことがなく操作に戸惑ってしまったのだろう。
「良かった……昨日直接連絡が取れなかったら心配したんだよ、ジェム」
「お母様……!」
その言葉が、一番最初に自分を心配してくれたことがジェムには何より嬉しかった。もし自分よりサファイアと話すことを優先されたら、やっぱり母親は自分の事が嫌いだったんじゃないかと思ってしまうだろうから。そしてその安心が、シンボルハンターと戦った時に理解させられた自分の傲慢さが、ジェムに涙を零れさせた。事情を知らないルビーはわずかに驚いた顔をした。
「あのねお母様、私、あの……本当に、ごめんなさい」
「どうしたんだい、ジェム。心配はしたけどメールは送ってくれたし、そんなに謝らなくても……」
「違うの、そのこともだけど……お母様に、謝らないといけないの」
この部屋に来るまでになんというべきかいろいろ考えていたはずなのに、父親にあったときと同様やっぱり頭が真っ白になってしまって、全然上手く言えなかった。ルビーも困った顔を出なんといえばいいのかわからないようで、黙っている。ジャックがやれやれと息をついて、ジェムの肩をおもむろに叩く。
「落ち着いて、ジェム。まずはフロンティアで何があったか、それをちゃんと話してからにしよう?そうしないと君のお父さんも話に入れないしね?」
「う、うん……わかったわ、ジャックさん」
ねっ!とウインクするジャ
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