えっ、ハーレムですって? ナニソレウマイノー?
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人もいることでしょう。さっきヒソヒソと変質者とか噂していたあなた、僕はそうじゃありませんからねーっ!! 』
ハイテンションではっちゃけてみると、おそらくその犯人であろう娘が吹き出した。やがて感染するように笑いが広がっていき、館内が和やかムードに包まれた。完全に予想外である。掴みは悪くなさそうだ。見たか! 変質者でもやれば出来るんだぜ!!
『まだまだ右も左もわかっていない新参者ですが、色々教えてくれたら嬉しいです。これからどうぞよろしくお願い致します!』
シメのセリフを紡ぎ、一礼する。喝采が巻き起こった。控えめに言って大成功だ。これで残るは集会があろうとなかろうと元々から皆に伝えようと思っていたことを告げるのみである。
マイクを戻す前に、僕はできる限りの笑顔で宣言した。
『あと――僕には、惚れないでくださいね?』
体育館が凍りついた。
○●○●○●
「女の子ばっかりで緊張しない?」
「しますけど……じきに慣れますよ」
「頼もしいわね」
集会は終わり、僕は担任となる先生と他愛もない話を交わしながら、自分が配属される教室へ向かっていた。各教室の前を通るたび、中から女子の視線が刺さってくる。決してあたたかいものではない。
演説の結末はどうなったかというと……そりゃもうしらけたとも。あの発言をした途端、だいたいの人が『きもっ、ナルシスト?』とか『この人頭大丈夫?』みたいな表情をした。幕間へ消える僕を見守る反応は他にも様々だったが、構うことはない。
発動すれば厄介極まりないこの能力がある以上、意地でもああ言っておく必要があった。距離を作っておくのだ。所詮僕は平凡なビジュアル、青春への発展はきっと薄い。それでも、万が一女の子が僕に興味を持ったりなんかしたら――どうしても迷惑をかけてしまうだろう。だから皆に「なんなのこの人」という認識を植えつける。こうしておいて……学院の女の子と親密になる可能性をぐっと狭くする。言うなればリスク潰し。
おかげで足取りが軽い。不安要素は取り除けた。昔はこういうことをする自分が打算的だとかよく嫌悪に陥ったりもしたけれど、被害者が出ないなら儲けもの。恋なんて二の次、いいや三の次。
「あなたのクラスはここね。それと……集会でしたばっかりで悪いけど、クラスでも一度自己紹介してくれるかな?」
と、先生が立ち止まったと思ったらこんな断りをいれてきた。見上げるとクラスを示すプレートには『2-A』とあった。もう着いたのか、早いものだ。僕は少し反応に遅れつつ首肯した。
「ありがとう。じゃあちょっとここで待ってて」
先生は扉を開けて教室に入っていった。暇なので再自己紹介用のネタでも考
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