えっ、ハーレムですって? ナニソレウマイノー?
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理事長よ」
「はい?」
この娘は何を言っているんだ。閉口して僕は首を傾げる。
「だから私!」
「え、もしやあなたが理事長と?」
「そう!」
「マジかッ……す、すみませんでした!」
正直生徒が学校の長なんて聞いたことないが、瞬時に頭を下げる。切り替え大事。理事長は全く気に留めない様子で「いいのいいの」と僕を制止した。なるほど、寛大な人なのかもしれない。
「じゃあ改めて……私は小原鞠莉、気軽にマリーと呼んでちょうだい!」
「あっ、はい……」
……あと、底抜けに明るくて行動が読めない人でもありそうだ。
●○●○●○
その後、諸注意も含め理事長より説明をしてもらった。ちょくちょくいじられたりもしたが……まあ楽しかった。時々発音の良い英語が彼女の口から不意に飛び出すものだから、思わず笑ってしまいそうで堪えるのが大変だった。
あれから結局教室ではなく、僕は体育館の幕間にいる。さあさあ勝負どころ……ただいまから全体集会のお時間だぜ!
というのも。僕は編入生しかも学院始まって以来初の男子生徒なので、理事長いわく体育館で軽く自己紹介して欲しいとのこと。そんな話は本日まで全く聞いてなかったので準備は全く無いのだが、あまり緊張はしていない。僕は僕なのだ。この場で殺されるわけでもあるまいし、そう考えれば恐れるに値しない。ただ静かに待機するまでである。
『それでは編入生の旗口大颯君、よろしくお願いします』
今日のおやつは何を食べようかと考えるうち、アナウンスがかかった。向こう側でパチパチと多数の手による拍手が鳴っている。
僕は幕を抜けて進む。よし、帰ったらおやつはせんべいにしよう。
そうして講演台の前に立った。台は触りたくなるぐらいピカピカに磨いてあってわりと感動した。でも最も驚いたのは目の前の風景。存在する生徒が実際に女子しかいないことだった。春から募集はしていたのだろうが、本当に男子が居ないなんて……。なお、生徒数も明らかに少ない。1年生は特にだ。
――浦の星、下手したら廃校寸前だったり?
動揺したが、僕は気を取り直してマイクを取る。黙りっぱなしでは集会が成り立たない。
『あー、あー。マイクよし! ハイ皆さん、おっはようございまーす!!』
ひとまず陽気な調子で挨拶してみる。マイクで拡張した声量が館内全体に響き渡り、案の定、シーンとした静寂が起こった。
ところが暫くの間を置いて、口々におはようございますがreturnしてきた。地味に嬉しいことである。おっといけない、無意識に理事長のクセがうつっていたぜ。とにかく演説続行だ。
『この2学期より編入することになりました――旗口大颯といいます。さっき廊下ですれ違った
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