No.4:学校でもフラれておりま……って、それどころじゃねえ!
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朝のダイナミック告白を盛大に失敗したものの、オレは「登校を済ませてからまた他のチャンスを狙えばいい」などと思っていた。
しかし『いつも通りの生活がいつもと同じ形で過ぎていけば』の話であることをオレは忘れていた。流れ行く日常を当たり前の存在のように考えていたために、イレギュラーを想定しなかったのだ。それこそこれからの日常に変化がもたらされるレベルの、『イレギュラー』の可能性を。
オレは何が言いたいのか。それは――イレギュラーがおとずれた……いや、オレたちの全く知らぬ間に淡々とおとずれていたのだ。つまるところ、とりあえず告白どころじゃなくなったんだよ!
『廃校のお知らせ』
まさにこれのせいで、である。
「そ、そんな……」
「廃校って……学校がなくなる、ということですか?!」
あの冷静なことりちゃんと海未がわなないている。が……無理もないだろう、だって廃校なのだから。しかも始業式のすぐ後日、学校にやって来て早々知らされたのだから。
かくいうオレも、
「バカ……な……信じられん」
驚愕の雷を落とす1枚の紙を、さっきから呆然として眺めているばかりだ。
「ああっ……」
穂乃果に至っては、何を思ったのか方針状態にも見える乾いた笑みを浮かべ、不安定にフラついている。よくわからないが今にも倒れそうだ。たぶんだが、少なからずショックだったのだろう。
現に、オレたちはいまいち状況を呑み込みきれていない。ちょうど驚きの真っ只中にいる。いつものように呑気なテンションで登校したら、廊下がやけに騒がしかったので詳しく覗いてみたら――この『廃校のお知らせ』についての紙々が掲示板スペースいっぱいに貼り出されていたのである。たった今それに直面したところ、というわけだ。
「うわぁっ……」
「穂乃果!」
「穂乃果ちゃん!?」
と、3人の只事ではなさげな声が届いてきてオレは我にかえる。紙面に釘付けだった視線を外して振り向いてみたら、後方に転倒しかかった穂乃果をことりちゃんと海未の二人が支えていた。穂乃果は依然として変な笑みを崩さずにいるが、目尻には涙をうっすら溜めている。
「どっ、どうしたんだ?」
「ゆーくん……穂乃果ちゃんが……穂乃果ちゃんが!」
「穂乃果が倒れてしまいました!」
急いで彼女らの元に寄っていくと、穂乃果を両手で抱き止めていたことりちゃんと海未がオレへ全力で訴えかけてきた。どうやら二人はパニックに陥っているようだ。廃校の衝撃と穂乃果の異変に軽いキャパオーバーを起こしたのだろう。
「なんだってぇぇぇぇぇ」
だが、オレも二人と同様だった。あいにくオレはこういう事態には弱い。バカな性分も相まって、1度ペースが狂えば基本的に立て直
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