No.3:登校前に猛告白→なおもフラれております。
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告白方だからだ。
この告白方は、数多に失恋した経験から圧倒的に強くなったメンタルがあってこそ成せるもの。今日までずっとこれをやらず、毎度時間を置いて1回ずつ告白し続けてきたのは布石! 何気ない朝にいきなり初である連続告白――インパクトは大きいはず!
――長い絶望に決着を。ことりちゃんのハートを射止めて……オレは今日から彼女とラブラブするんだ!
さらに、オレは両手を広げがてら地面を蹴った。思いっきりことりちゃんに抱きつく、そういう大技のための跳躍。これで彼女を勢いよく、加えて優しく捕らえて――驚愕と意外性という二重の意味でドキッとさせる。
――受け取ってくれことりちゃん、直情型かつバカなオレの……最初で最後の「策と愛に溢れし告白」を!
オレはそこで確かに見た。彼女のクリクリとした瞳に、久々に宿っていたのだ。それはおそらく――迷いの光。
あっという間に、飛び出したオレの体は立ち尽くしている彼女の体に肉薄する。もうちょっとだ。もしかすると、もしかするかもしれない。手応えと期待が全身をぞぞっと伝う。返事は、どうだ。イエスか、ノーか。
審判は――――――――?
「ごめんなさいっ、やっぱりそれはまだできないかな」
ダメだった。
目前にいたことりちゃんは苦い笑顔で答え、スレスレのところで素早く横にかわした。したがって、我が不意打ちのハグは空を切る。
「チェストぉ!??」
そんな情けない声をあげ、勢いあまったオレは地面へと突っ込むのだった。これにて、オレの2万300回目の告白は幕を下ろした……。
結局オレは今日もことりちゃんの了承をもらえず、悔しがりながら幼馴染たちと一緒に登校する朝を迎えたのであった。後で擦りむいたところをことりちゃんが手当てしてくれたのだが……それはまた別の話。ぐへへへへ。
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