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ことりちゃん、付き合ってください(血涙)
No.2:夢の中でもフラれております。
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ングドレスになっていた。しかも表情も妙、いつの間にか色のない虚ろなものに染まっている。

 おかしな状況を呑み込めずにいると、ことりちゃんが突如口を開いた。

「さようなら」
「あ……」

 全くわけがわからないが、今彼女を止めないといけない気がした。

「い、行かないでくれ」

 オレは混乱を辛うじて振り切って手を伸ばす。しかしそれは男によって掴まれ、遮られた。

「オレのことりちゃんに触るな」

 ここで男の顔が見えた。そしてオレは息を呑む。

 真っ直ぐオレに敵対し、ことりちゃんをどこかに連れていこうしている男――――そいつはオレそのものだった。

「な、なんで」
「お前じゃ、ことりを幸せにはできない。お前は偽者なのさ」

 おそらく青ざめているであろうオレを無視し、(オレ)は冷ややかな口調で一方的に告げる。さらにことりちゃんが奴の腕に抱き付き、

「そう、あなたは偽者。本当のゆーくんは(こっち)

 聞いて、熱湯を浴びせられたかのような頭痛が襲ってきた。ここにいちゃいけない、そういう直感もした。

「う、うわあああああっ!」

 それは言うまでもなく恐怖、オレは脇目もふらず走り出した。このままじゃ何かが壊れてしまいそうで。

 ――嘘だ、オレが偽者だなんて嘘だ。

 人混みを掻き分け、様々な店が並ぶ街中を駆けていく。しだいに呼吸が荒くなっていく。

「はぁ……っ」

 暫くしてから足を動かし続けながらも後ろを振り向いてみると、二人は追いかけてきていなかった。オレは安堵し、汗を拭う。

 が、まだだった。

 今度は穂乃果や海未、親とか知り合いなどが一斉にオレの周囲に出現したのだ。さっきのことりちゃんみたく、何の前触れもなく。

 皆は間髪入れず、こう言った。


「お前はことりを幸せにはできない」



――――――――

――――

――




「はぁっ……はぁっ……」

 気が付くとオレはベッドの中にいた。視界には茜色に侵された天井、なるほど今は夕方らしい。とはいえ、どうしてオレはこんな時間から眠っているのだろうか。

 ちょっと思案して、すぐに経緯を理解した。そういえば昨日の夜から風邪で寝込んでいたのだった。

「ひでぇ悪夢だった……」

 溜め息をつき、風邪特有の倦怠感に逆ってゆっくりと体を起こす。あんなものを見てしまったんだ、とても二度寝する気分にはなれない。あと、我ながららしくないけれども思ってしまった。夢でさえもあのザマなのだから――ことりちゃんのことはこの際すっぱり諦めた方がいいかもしれない、と。

 暫くぼうっとしていたら、ドアがノックする音が聞こえてきた。誰だ、マザーか?空元気さえ
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