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ことりちゃん、付き合ってください(血涙)
No.2:夢の中でもフラれております。
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た。いくらことりちゃんへのラブパワーがあれど、まるごと3時間キリッとしたまま待つのには無理があった。筋力や精神力が足りない。突き詰めると頑張ればいけなくもないが、それでデートに差し支えるのは嫌だ。

 体も汗ばんできた。上空の太陽は容赦がない、段々と熱線の威力を上げてきている。30℃は軽く超えていそうだ。

 ――あれ、奇妙だな。

 ここでオレはふっと、どうにもおかしいと気付いて首を捻る。確か今日は4月3日だ。ならば何故、こんなに暑いのか。地球温暖化だから――なんて程度では流石に説明がつかない。考えるより行動する派のオレだが、こればかりは考えざるを得なかった。

 と、オレが熟考しかかっていたところに突然――

「おはよう、ゆーくん」

 ――(とろ)けるような甘いボイスが頭の中を突き抜けてきた。

「ん――ふわあっ!?」

 驚いてその方を見上げると、眼前にはことりちゃんの姿が。

「ごめんね、待った?」

 刹那ではあるが、ぞくっと戦慄が走った。全くこっちにやって来る気配がなかったのに、ことりちゃんがオレからすぐ正面の位置に陣取っていたからだ。

 ことりちゃんといえばもっとこう、パタパタと駆けて向かってきそうなイメージがあったのだが……とんでもなかった。現れ方が下手をすれば暗殺者さながらだ。

「ぜ、全然。つい……35秒ほど前にっ、来たところだよ。へへっ……こ、ことりちゃん、30分も前に来てれるなんて感激だぜ」

 動揺したせいか、喉を通って出たオレの返答は噛み噛みでかつ掠れていた。

「ふふっ、よかったぁ……でも、ゆーくんこそ早いね。ことりも嬉しいっ」

 ことりちゃんは安心したというふうに胸を撫で下ろし、照れくさそうに微笑んだ。

 やっぱりそれは、いつもと変わらないことりちゃんだった。彼女が着てきた私服も相変わらずセンスが高く、よく似合っている。


 ――そうだ、落ち着けよオレ。待ち合わせの仕方が少々ばかり予想の範疇外だっただけだろうが。何かがおかしいなんて思うのは、きっと気のせいなんだ。

「あは、あはは……」

 だが、余裕を取り繕って立ち上がった時だった。

「じゃあことりちゃん、行こうか」

 近くで男の声がしたのだ。それは当然オレが発したものではない。

「え?」

 困惑して辺りを確認するも、そいつは単純に目の前にいた。他でもない、ことりちゃんの隣にである。横から射し込む太陽光のせいで顔はハッキリとは認識できないが、彼女より頭1つ分程高い――ちょうどオレぐらいの身長(タッパ)を持つ男。結婚式で着るようなタキシードを身に纏っている。

 驚くことはもう1つあった。なんと、ことりちゃんの服装が変化していたのだ。私服だったのがウェディ
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