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ことりちゃん、付き合ってください(血涙)
No.0:ことりちゃんにガンガンフラれております。
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 ――――嗚呼、思えば懐かしい。




 最初の告白は幼稚園生だった頃だ。

『ことりちゃん! 大きくなったらぼくのお嫁さんになって!』

 ことりちゃんは――きょとんとしてから答えた。

『うーん……どうかなぁ』
『へっ?』

 返事は曖昧だった……。




 次の告白は小学生になってすぐ。

『ことりちゃん、おれの彼女になってよ!』

 ことりちゃんは――考えるそぶりをしてから、

『ごめんね、ことり好きな人がいるから……』
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!』

 確かあの後はめちゃくちゃ泣き叫んだ。




 三度目の告白は中学生になった当日。

『ことりちゃん、オレと付き合ってほしい……』

 ことりちゃんは――困ったようにこう言った。

『……ごめんね?』
『ち゛く゛し゛ょ う゛う゛う゛う゛う゛』

 この日以降、オレは定期的にではなくより積極的にことりちゃんへの告白をトライするようになった。深い理由はない。単にことりちゃんが大好きで、どうしても一緒になりたいからだ。




 そして、現在。

 柔らかそうなぬいぐるみや可愛らしいグッズがたっぷり揃っている、いかにも女の子らしいことりちゃんの部屋を決戦の舞台として告白し――ついに!

「ことりちゃん、オレと付き合ってくれ!」
「ごめんね♪」
「ほわぁっ!? フラれたん!?? うおお……これで2万231連敗なり……うおおおおおん……」
「えっ、数えてたんだ……」


 ……ついに、なんてことは全くなかった。現実は非情である。

 目の前で苦笑い(という名のドン引き)を浮かべていることりちゃんを見て、オレは必死に考える。

 ――――何故だ、何故なんだ? 恋愛成就率は高いはずなんだ! オレのポジションは自分で言うのもなんだが他の男よりも圧倒的有利! だって彼女とオレは幼馴染み同士の関係なんだぞ! ずっと昔から遊んできた! 共に笑い、悲しんだ! さらにはお互いの両親の仲も良好、こんなの傍からしたらほぼフラグなのに!! ついでに今年は大吉だったぞ! それなのに、こんなはずではぁ……。

「ゆーくん、全部声に出てるよ」
「しまったぁぁぁぁ! こんなの聞かれたらますますことりに嫌われるじゃないかぁぁぁぁぁ!」


 本日昼下がり、愛の告白……フラれたり。未だいっぺんたりとも成功せず――――。



???



 2万231回目の失恋から数時間、ただ今深夜真っ只中。自室の天井を涙の溜まった目でしんみりと睨みながら、オレ――能勢 雄輝(のせ ゆうき)は願う。

 ――神様、もしいるのならお教えください。たったひとつだけ……お教えください。我が切実なる質問
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