堕天使と黒騎士、魔の地(校外)へ赴く??
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のかけ布団が素早く引っぺがされた。
「堕天使奥義・堕天流引離反!」
「うおおっ、よせ! 返せ!!」
4月下旬でも朝はぶるっとくるくらいには寒い。ぬくもりがなくなって、我はたまらず跳ね起きた。堕天使の方を睨むと、彼女は嬉しそうに略奪した布団を両手に掲げていた。
「おのれヨハ――堕天使」
「え!? 今『ヨハネ』って言いかけなかった?」
「っ! 寝ぼけてただけだ!」
「いいのよ……私の名を呼んでみなさい、リトルデーモン」
「くっ――我の負けだ! 起床ればいいのだろうッッ!?」
やられた。我は悔しさと絶対呼ばない呼び方をしてしまいそうになった気恥ずかしさを誤魔化しながら、ベッドから飛び降りる。堕天使はご満悦だった。なんだか最初の頃と立場が逆転しているように感じるのは気のせいだろうか?
「……だが名前は津島善子だ」
「善子言うな!」
根負けした我は、その後のそのそと荷物の確認をはじめた。着替えるのは後。黒騎士が間抜けに忘れ物などできまい、荷造りが最重要なのだ。
「湧丞〜、あなたの水筒持ってきてあげたわよー……って、まだ着替えてなかったの!?」
「ん? ああ。荷造りに手間取っていてな。というか、なぜお前が我の水筒を?」
「いや今言ったし! 手伝ってるの!」
「ハハハ、知っているぞ。わざととぼけたんだ……ククッ」
「もう!」
堕天使はついでだとか言いつつも助太刀してくれている。こいつ、ぶっきらぼうだが心優しい奴なのかもしれぬ。それと性格的に「天使」の方に近いとも思える。だがそれよりも、我には気がかりなことがあった。作業の手を緩めぬようにしつつ、我は堕天使に問いかける。
「堕天使、そのくまはどうしたんだ?」
「こ、これは遠足が楽しみだったとかじゃなく……」
「楽しみだったんだな、堕天使?」
「ちがっ――」
あわてふためきながらも否定を示そうとする堕天使。どうやら楽しみだったらしい。わかりやすすぎる……。
が、そう決めつけた我が愚かであった。
「ふっ、ふふふ……。この眼の下のモノを、人間風情のくまと一緒にしないで。これは昨宵――ヨハネの魔力と地獄の念波を共鳴させて使い魔を召喚したときに出来た代償よ!!」
「なにぃぃぃっ!?」
たじろぎながらも堕天使が明かしたことは、とてもただ事などではなかった。我は動揺した。
「そんなバカな! 本当なのか?」
「ええ……も、もちろん」
堕天使は肯定する。妙に彼女の歯切れは悪かったが、それはこのことがそうそう外に公言できぬ話だからに違いない。
我は――
「使い魔とはカッコイイではないかあッッッ!!」
「とっ、当然でしょ! あーっはっはっはっはっ!」
感銘を受けて、舞い
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