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堕天少女と中二病少年
決戦!? 堕天使vs黒騎士
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というか、もはやあれは駄々をこねている。いささか彼女が堕天使なのか疑わしくなったぞ。

「フン、交渉決裂アンチプロミスだ」
「ちょっと!?」

 制止しようとする津島善子に構わず、我はまっすぐに歩を再開する。付き合いきれぬ。

「待ってってば〜!」
「断る!」

 我がかわし、津島善子が阻む。それを繰り返した。彼女はしつこく粘っていたが、暫くすると追ってこなくなった。

 ――やっと諦めたようだ。

「では、またな」

 首だけ向けてぴしゃりと静まった彼女に別れを告げ、我は拠点へ行く方向へ足を進め出した。かわいそうだが仕方なきこと――

「――――負けるのが恐いの?」

 我の耳元で――そんな吐息。
 横目で見ると、至近距離で津島善子が不敵そうに我を挑発していた。

 己の深淵に触れられた感覚を覚えた。手の開閉を何度か繰り返し、我は確信する。

 戦 闘 モ ー ド が 覚 醒 し た

「なんだと……?」
「その気になったみたいね」
「うむ、お前の思惑通りな。黒騎士が敗れることはない――我が闘志に火を灯したことを後悔するなよ」

 我は通学バッグ(アイテムBOX)を道の脇に置き、チャックを開けてそこから“黒刀“を取り出し、鞘から刃を抜いて一歩下がり――体勢をとった。戦闘の構えだ。

「って、それただのレプリカじゃない!」
「とうっ!!」

 津島善子がわけのわからぬことを叫んだがどうでもいい。我は気迫にまかせて彼女の間合いへ踏み込んだ。

「その前に取り引きよ!」
「む」

 ……が、そう言って津島善子が掌をかざしたため我は体にブレーキをかける。

「ぜ〜ったいにあり得ないでしょうけど、ヨハネ相手に勝利を手にできたらあなたの望みを一つ叶えてあげる。逆に、私が勝ったら……」
「勝ったら、なんだ?」
「や。やっぱりいいわ。後にする!」
「ならば戦闘開始といこうか」

 望み、か。だとすればなおさら気を引き締めなくてはいけなくなった。我が億が一敗北して黒騎士としての力を吸いとられでもしたら致命的だ。
 それにしても津島善子の奴、やけにもじもじとしていたが……。勝利した暁にどんな目論みがあるのか想像もつかぬ。

 いや、ひとまずは戦いに集中するだけのことだ!

「一騎討ちでいいな? お前も武器があるなら出せ」
「特に武器は必要ないわ」

 互いに下がり、距離をとる。準備が完了するのを確認し合い……ついに決闘が幕を開けた!!

「いくぞ! うおおおおおお!!!」
「とりゃああああっ!」

 我も津島善子も、相手めがけて一直線に走り出した。

 分かる。(からだ)が加速するたびどんどん強く吹き付けるようになる抵抗の風と、我らの辺りをとめど
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