暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ガンダムW
1626話
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しに様子を見てますので」

 尋問する対象がいる部屋の前で、サリィが俺達を待っていた。

「ええ、任せてちょうだい。大体の話は引き出せる筈よ」

 魔術に対する抵抗力とかがあれば別だが、その存在を知られていないこのW世界で、凛の暗示に抗う事はまず不可能だろう。
 いや、天然である程度の抵抗力を持っているような奴はいるかもしれないから、絶対に大丈夫って事はないだろうが。
 ともあれ、サリィに促されて俺と凛は部屋に入る。
 するとそこには、手錠をされた1人の軍人の姿があった。
 年齢は20代くらいで、座っているから正確な身長は分からないが、細身でありながらしっかりと筋肉が付いている人物。

「……」

 俺達が部屋の中に入ったのに気が付き、一瞬視線を向けてくる男だったが、次の瞬間には何も言わずに視線を逸らす。
 自分は絶対に何も喋らないという、そんな意志表示だろう。
 聞いてた通り、意志が強そうではあるが……

「凛」
「任せて」

 俺の言葉に短く返事をし、そのまま凛は男の方に近付いていく。

「……」

 無言の男だったが、凛が近付いてくるのを見て少しだけ驚きの表情を浮かべる。
 まぁ、俺と凛で尋問をするのなら、俺がメインで凛はお付きってイメージの方が強いんだし、それは当然か。
 凛がメインになるとは思わなかったのだろう。
 意外性に負けて凛に視線を向けたのが運の尽き……次の瞬間には凛の魔術により、あっという間に暗示に掛かる。
 それこそ、俺から見てもいつの間に暗示に掛かったのかが分からなかった程に。
 だとすれば、マジックミラー越しに見ている隣の部屋の連中もその事には気が付かなかっただろう。

「さて、教えて頂戴。貴方の所属は?」
「……バートン財団」

 凛の質問に、男はあっさりと答える。
 にしても、バートン財団か。やっぱりというか、ある意味予想通りだな。
 第3勢力について俺が怪しんでいた本命。それがバートン財団なのだから。
 対抗としてホワイトファングもいたのだが。

「そう。それで、目的は? 一体何でこの基地を襲ったの?」
「宇宙ではバルジがなくなり、地球でも連合軍が有利になっているこの状況を、少しでも長引かせる為に」
「……長引かせる? 何故?」
「我等バートン財団がこの地球圏を支配するには、OZは勿論連合軍も邪魔でしかない」

 あー、なるほど。地球では連合軍が若干有利といった程度だが、宇宙はバルジの件もあって連合軍が圧倒的に有利だ。
 総合的に見れば、結果としてこの内戦は連合軍が有利という事になる。
 バートン財団はそれを嫌った、と。
 まぁ、地球圏を支配しようとしているバートン財団だ。連合軍の圧倒的優勢というのは面白くなかったのだろう。
 …
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