第83話 推参
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。武蔵以外の者隊はその物言いに怒りを示すように立ち上がった。
「ははは、皆の者少々落ち着きなされ」
但馬守は大きな笑って魔界衆を落ち着かせた。
「確かに武蔵殿の言うとおりかもしれん。が、ここに集いし者達は、時代は違えど剣豪、強者と言われた者達。しかも、自分より強い者を求める者達だ。出来ればわしとて再び差しで戦いたい。が、我らに二度の負けはあってはならない。わが息子、十兵衛はそれ程の漢なのだ」
但馬守は、再度魔界衆を見渡した。
「致し方ないですな、但馬殿がそこまでいうのであれば。但馬殿の策に拙僧は、同意いたそう」
宝蔵院は、にやりと笑った。そして、他の者達も無言で頷いた。
「では、各々方。門を開け申す。十兵衛が来た暁にはよろしくお願い申し上げる」
天草は両手を広げた。と同時に、原城の門が大きな音を立てて開きだした。
「ようやく開いたか」
十兵衛の表情は編み傘の下で微笑んた。そして、ゆっくり原城の中へと入っていった。
そこに待ち構えていたのは、数百数千ともいえる生きた屍だった。
「柳生十兵衛三厳、推して参る」
十兵衛は、いう言うとにやりと笑った。そして、愛刀・典太を抜くと気合を込めて空を十字に斬るように振った。
すると、生きた屍ども数千体はあっという間にばらばらに切り裂かれ地に転がった。
十兵衛はそれと同時に疾風ごとく駆けだした。中にはまだ屍どもがいたが、そんなことはお構いなしに走った。と同時に、走り去った十兵衛の後には、屍どもが血しぶき上げて転がっていた。
十兵衛の編み傘は、その血により、朱に染まっていた。
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