第三十四話 三つの薔薇その十一
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「お姉様にお会いする為に」
「是非共と思われ」
「そしてですね」
「急いで来られたのですね」
「お国から」
「そうですね、道は整えておきましたが」
それでもというのだった。
「それにしては早いと思いましたが」
「それでもですね」
「思ったよりお早くてです」
「何よりです」
「そのことは」
「では二人にです」
マリーはすぐにだ、こうも言った。
「食事を」
「旅の疲れを癒される為に」
「その為に」
「そしてお風呂の用意も」
それもというのだ。
「旅の垢と埃を落とす為にも」
「そちらもですね」
「用意をですね」
「されよと」
「はい、では私も服を整え」
人に会うのに相応しい服装になりというのだ。
「二人と会いましょう」
「では」
側近達はマリーのその言葉にも応えてだ、そしてだった。
二人にそれぞれ食事と風呂を出させ自身は服を整え身に香水をかけさせた。そうして食事と風呂を整え礼装も着たセーラとマリアにだった。
久し振りに会った、その場でマリーはまずはこう言った。
「ようこそ」
「はい、お待たせしました」
「今来たわ」
二人もそれぞれ一礼してマリーに応えた。
「では今から」
「マイラお姉様の元へ」
「それでマイラお姉様は」
「今は」
「はい、おられます」
この世にとだ、マリーは二人に答えた。
「ご安心を」
「それは何よりね」
マリーのその言葉を聞いてだ、マリアはまずはほっとした顔になった。
「私もね」
「気が気でなくですね」
「ええ、ついね」
「急がれたのですね」
「危ないと思いながらもね」
身を出しての旅のことも言うのだった。
「馬に乗ってね」
「馬車ではなく」
「そうして来たけれど」
「よかったです」
セーラも安堵した顔だった、そのうえでの言葉だった。
「本当に」
「そうね、間に合うことだけを考えていたから」
マリアはセーラにも応えた。
「よかったわ」
「全くです」
「二人共何処で一緒になったのでしょうか」
マリーは二人にここでこのことを問うた。
「同時に轡を並べての入城となりましたが」
「正門のところで」
セーラがマリーに答えた。
「そこで」
「正門ですか」
「はい、あちらでです」
「会ったのね」
「マリアお姉様」
「私もだったわ、ここまで楽に来られたわ」
整えられた道をというのだ、マリアはこのことは微笑んで話した。
「この通り早くね」
「それで助かりました」
セーラも道のことを話した。
「まことに」
「道を整えていたからこそ」
内政の一環して行っていたことだ、民も軍隊も往来を楽にさせてより人の往来を増やしまた迅速に進める様になり商業と軍の進軍と補給を助ける為だった。
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