264部分:エピローグその二
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エピローグその二
ーアグストリアー
愚王シャガールの悪政とグランベルによる圧政、そして長年の内乱により疲弊したアグストリアとその国民は自分達を導いてくれる英雄を待ち望んでいた。
英雄はいた。主君を諫め非業の死を遂げた獅子王エルトシャンの遺児であり解放軍でその名を馳せた黒騎士アレスである。
王に迎えられたアレスの下に多くの仲間達が集まって来た。
剣騎士デルムッドとその恋人ジャンヌ、トリスタンと妻レイリア、傭兵時代からの仲間マチュアとブライトン、先の大戦の英雄ベオウルフとデュー、エルトシャンの旧臣イーヴ、エヴァ、アルヴァ等がアレスの下に馳せ参じてきたのだ。
アレスは彼等が来たことを心から喜んだ。そして奮い立った。
アレスは家臣達と力を合わせ国家の再建に打ち込んだ。僅か数年で破綻していた財政と民生を立て直すと以後国力の振興と対外関係の親密化に務めた。その姿にアグストリアの国民は亡きエルトシャン王の面影を見ていたのであろうか。
国家の再建に打ち込むアレスに傍らには常にリーンがいた。ユグドラルで初めての踊り子出身の王妃となった彼女は良き妻として夫を支えた。その功績は誰もが認めるところであった。
またデューはマチュアと結婚した。晩婚と言っても良い歳であったが彼はまだ若々しく皆そうは思わなかった。
ーシレジアー
先の大戦で断絶していたシレジアだがレヴィンの息子であるセティにより復活を遂げた。ティニーを妻に迎えた彼は同じくフリージ出身のリンダを妻としたホークを宰相とし国政に挑んだ。
地味だが堅実で無駄のないその市井をカリンとフェルグス、アズベルとミーシャの二組の夫婦の家臣達が盛り立てた。その他にもセティが登用した中堅の人材達が成長しシレジアの礎となっていった。
兄弟間の王位継承争い、軍の中核であった四天馬騎士間の確執等シレジアは人間の心の負の面に悩まされてきた国であった。しかしそれを知るセティはまず人心の安定を心がけた。まず人の心ありき、それはシレジアの政治の根幹をなしていった。
ーエッダー
エッダの当主はクロードが神器を譲ったことによりコープルが就くこととなった。若いが驚異的な法力を持つこの少年をシャルローとスルーフが補佐した。これにコープルの養父ハンニバルが後見する形となった。彼はミレトスの宰相でもあり今までにも増して多忙な身体となった。だが彼等の働きによりエッダ教団は歴史上かってない規模の大改革を成し遂げることとなる。
なおクロードは妻シルヴィアと共にエッダの塔に入った。暫くしてそこへセイラムとサラの二人がやって来る。クロードはこの二人を快く迎え入れる。やがて彼等はエッダへ行きコープルを助けることとなる。
ーユングヴィー
当主スコピオが退いたユングヴィは神器の継承者であるファバルが当主となった。そ
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