第三十四話 三つの薔薇その七
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「今のあの方の状況ですと」
「そうですか、マリー様でも」
「そうお考えですか」
「そうなるとですか」
「ご自身ではですか」
「自信がありません、ですがあの方は果たされています」
己の責務、それをというのだ。
「そのことをあれこれ言うことは出来るのか」
「それは」
「そう言われますと」
「どうしても」
彼等も返答に窮した、そう問われるとだ。そのうえでマリーに言うのだった。
「そういうことですか」
「あの方については」
「我々は言うことは出来ない」
「あの方の様に出来ない限りは」
「そうです、流石は帝国の次の主です」
大陸随一のこの国のというのだ。
「見事な方です」
「左様ですね」
「では我々ももうです」
「あの方には言いません」
「その様なことを」
「そうされることです、噂や陰口は何にもなりません」
それこそというのだ。
「むしろその立派なものを見て認め」
「そしてですか」
「そのうえで」
「自分もそうなる様に励む」
マリーは自分自身にも言った。
「このことが大事です」
「そうなのですね」
「我々も」
「誰かにとやかく言うよりは」
「己をですか」
「私もです」
ここでもだ、マリーは自分自身に言った。
「そうある様にしていきます」
「ですか、では」
「あの方についても」
「そうされますか」
「必ず」
この言葉は毅然として出した、そしてだった。
マリーはその場を後にした、彼女に言われた者達は多くの者達を引き連れたうえで去る彼女を見てそれで言った。
「マリー様の言われる通りですね」
「全くです」
「そうしたことを言うなぞです」
「やはりおかしいです」
「そうですね」
「これからは言わないことです」
「それがいいです」
このことをわかったのだった。
「どうしても」
「陰口や噂の様なことは言わない」
「悪いことを言わないで」
「その人のありのままを見て評価する」
「そうあるべきですね」
「流石はマリー様です」
マリーのことも賞賛するのだった。
「他の方とは違いますね」
「流石は新教徒の盟主です」
「そして摂政のお一人」
「それだけの方ですね」
「ご資質もお心も違います」
「お考えが」
「まことに見事な方です」
こう言うのだった、マリーの言葉を受けてから。
マリーは彼等の言葉をもう聞いてはいなかった、自身の部屋に帰ってからだった。不安な顔で彼女の側近達に言った。
「二人のことは」
「はい、既にそれぞれのお国を発たれていますので」
「馬車で進まれています」
「必ず速いうちにお着きになります」
「この王宮まで」
「それは何よりです、ただです」
ここでこうも言ったマリーだった。
「途中何かがあれば」
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