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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic25-C航空空母アンドレアルフス攻略戦〜Scylla 2〜
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間、ヴェロッサはクラリスの雰囲気がガラリと変わったことを察して、猟犬と共に慌てて来た道へと戻って行った。その様子に怪訝な表情を浮かべるゼータ。クラリスは床に転がっている槍側の“シュトルムシュタール”を拾い上げ、金棒部分の柄と連結させた。
「つまりお前はアレなんだ、人型のデバイスと同じなんだ」
「デバイス扱いされるのは少々遺憾ですけど。その認識で間違いはないですね」
クラリスの問いに答えたゼータは、「なに・・・?」無意識のうちに後退していた。クラリスは「じゃあ手加減なんて要らないんだ」そう言って、“シュトルムシュタール”の柄を両手で握って水平に構えた。
「カートリッジロード」
槍や金棒の付け根部分がスライドして給弾口が姿を顕わし、そしてガシャンと音を立てて元に戻った。その動作でカートリッジが効果を発揮し、魔力が爆ぜた。吹き荒れる魔力に「な・・・!」ゼータは驚愕に目を見開いた。
「聖王教会教会騎士団、グリューン・ガルデーニエ隊長、クラリス・ド・グレーテル・ヴィルシュテッター。参ります」
これまで以上の速度で広間内を駆け回るクラリス。ゼータは両手に持つ扇を振るって「エアスライサー!」を立て続けに放ち続ける。クラリスは “シュトルムシュタール”をバトンのように高速回転させてカマイタチを弾きつつ、少しずつ広間の中央へと駆け、金棒に環状魔法陣を3つと展開し、そして天井ギリギリまで跳び上がると・・・
「この一撃を耐えることが出来れば、私の全力を見せてあげる」
――シュテルントレーネ――
そう言って床へ向けて金棒を下にした“シュトルムシュタール”を投擲。一筋の閃光となって落下する“シュトルムシュタール”やクラリスへと向けてゼータは「サウザンドブレス!」全てを薙ぎ払えるレベルの爆風を起こしたが、一切の勢いを殺せることなく床への着弾を許した。
「この魔力量は・・・!」
瞬間、金棒に展開されていた環状魔法陣が広間いっぱいに広がると、“シュトルムシュタール”から強烈な魔力が半球状に放たれた。魔力は環状魔法陣によって砲撃と化し、天井を撃ち貫いて、さらには天を衝いた。
「いやはや。瓦礫どころか塵1つとして残らない一撃。実に見事だよ」
避難していたヴェロッサが猟犬と共に広間に戻って来た。天井を仰ぎ見ればそこには青空が広がっている。
「この一撃程度なら耐えられると思ったんだけど」
騎士甲冑の所々が破れて素肌を晒しているクラリスがそう漏らした。彼女は一旦変身を解除して騎士団服に戻り、すぐに騎士甲冑へと再変身。新品同様に綺麗になっている。
「じゃあヴェロッサさん。先へ行こう」
「ああ」
そうしてクラリスとヴェロッサは、アジトに残る唯一の生命反応・ガンマの居場所を目指して駆けだした。
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