S-5 騎士/因縁
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ターへ、怒りの混ざった声で金髪のセイバーは振り向かずに答える。男の口調にも寄っているがその凜とした声質に変わりはない。
英霊のその圧倒感にゲーダーはそれから一言も発しなかった。
「さぁ、始めましょう、セイバー……いえ、ランサーと呼んだ方がいいでしょうか?」
その言葉にセイバーは軟らかな笑みを浮かべる。
「いや、セイバーで頼もう。今の俺は『友』に召喚された剣士の英霊だ。それか……真名でもいいぞ、誇り高き騎士の王よ……!」
「そうですか……分かりました。では、行きますよ……ディルムッド・オディナ!」
その声が合図となり、いつか夢に見た対決が幕を開ける。
初撃の速さではディルムッドの方が圧倒的だった。ステータスだけを見ればこの戦闘……否、騎士王との闘いのみ、ディルムッドの敏捷値はA++からEXへと上昇する。それも全てローグによるディルムッドへの思いを形にした令呪と魔術の力だった。
音すら凌駕しそうなディルムッドから放たれた紅槍の一撃は騎士王でも反応することは出来るはずない。……そう、出来るはずは無かったのだが騎士王はその一撃を間一髪の所で弾いて見せた。
「自信はあったんだがな……読んでいたのか?」
弾かれた瞬間に後方に跳躍したディルムッドが驚きを口に出す。無論、顔は冷静そのものである。
「いや、その一撃は速すぎて見えて居なかった……だが、私のスキルが間一髪の所で助けてくれただけだ」
騎士王……かのアーサー王、アルトリア・ペンドラゴンの数個あるスキルのうちの一つ。「直感」が彼女の言っていたソレである。
_「直感」その名の通りあらゆる物事に自身にとって最適な展開を「感じ取る」能力である。アルトリアのようにAランクの「直感」スキルはもはや未来予知に等しく、また視覚・聴覚への妨害を半減させる効果を持つ。
召喚からあまり時間が経っていなかったからか間一髪のタイミングで「感じ取る」事になったがこれによりディルムッドの音速刺突をかすり傷さえ負わず弾くことが出来た。
「あの時は披露していなかったな」
「ええ、その時は痛手を負いましたね……」
「今回はそう上手く行かないだろうな」
「同じ手は……二度と喰らいませんよ……!」
アルトリアが地面を蹴り、駆ける。真正面からの突撃、しかし何の細工も無い訳ではない。
かなり早い段階でアルトリアは剣を振るう。剣は不可視だが、ディルムッドはソレの間合いを知っている。身構えはするが迎撃しようとはしない。
「《風王鉄槌》!」
彼女の口から告げれらるソレはまたしてもディルムッドが知って
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