S-5 騎士/因縁
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を出せるようにするが、依然として無表情のままだ。
一方でセイバーは穏やかな笑みを浮かべている。セイバーはこれからの自分の末路を思い浮かべたが直ぐにそれを自分の意識から消す。
「主よ、願わくば……また貴方と共に……」
セイバーは短い記憶を思い返していた。召喚されたその時、お互いの奥の手を見せ合い戦略を練った夜、共に戦闘訓練をした時……本当に短い記憶だったがセイバーにとっては濃密な時間だった。あとは令呪による自害命令を待つのみ。これが初めてではない気もするが、死ぬ間際でこの感情は感じたことが無かっただろう。
ローグが立ち上がり、右手を突き出す。最後の令呪が紅に光輝き魔力が満ち溢れる。
「……最後の、令呪を以て我が最高の友に頼む!戦え……そして、勝て!自らの望みを叶えてくれ!」
その行動を誰が予想しただろうか。セイバーの身体にオーラが宿る。ローグは『友』と呼んだセイバーの強化された姿を確かに確認し、笑いかける。しかし、そこで限界だった。ローグの身体が、精神が、そしてゲーダーのプライドが……
ローグが前傾姿勢で倒れようとする所をセイバーが支える。ローグの意識が殆ど無い事をセイバーは確認する。息はか細いが適切な処置を施せば治るとセイバーは感じた。
先程までのセイバーなら随一の敏捷値を駆使して直ぐ様戦線離脱しただろう。しかしいまのセイバーには令呪の力が宿っている。絶対命令権三回分には逆らえる筈もなく、セイバーも『友』の頼みを逆らおうとはしなかった。
「セイバーよ、貴様と闘い、決着をつけたい」
セイバーが、金髪のセイバーに語りかける。
お互いに確かな記憶ではないが二人は一度出会っており、決闘をした。しかしナニカがありそれが双方不服な結果となってしまった。
それを覚えていたセイバーはただ1つの願いとして再会したセイバーと再び戦いたいと思った。
まさかその願いをマスターが令呪を以てしてでも叶えたいと思っていたとは思わなかったが……どういう形であれ、セイバーは最高のコンディションで再戦に臨めることとなった。
「……いいでしょう。私も貴方と剣を交えたかった……」
金髪のセイバーは凜とした表情だったが美しい声で応え、得物を構える。
「そんな……こと許さないぞ!セイバーよ!マスターを殺せ!!」
ゲーダーが金髪のセイバーに命令をするが金髪のセイバーがそれを聞き入れようとする素振りすら見せない。
「セイバー!早く殺れ!!ここで殺っておけば!後々有利になるだろ!!」
「断る。誰が貴様のような下衆の命令を聞くか。それにセイバーを無視してそのマスターを殺すなど不可能にも等しい。それすらも分からなければ私に無駄な命令をするな」
自らは手を出そうとしないマス
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