暁 〜小説投稿サイト〜
流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
66 崩れた仮面
[5/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
アマ!!」
「ッ!!」
「ウォッ!!このっ!!」
「エイッ!!ハッ!!」

相手がナイフで切りかかってきたのを利用し自分の腕を縛る紐を切って両手の自由を確保し、すぐさまみぞおちに一撃を加える。
そして次に襲ってきたナイフの攻撃を左手で防いで止め、右手でナイフを取り上げると、合気道の回転投げの要領で投げ飛ばす。
ただし本来、戦うための格闘技ではない合気道を攻撃用にアレンジしたものを使った為に、当然ながら派手に地面に叩きつけられた相手は頭部を強打し意識を失う。

「アイリスさん、大丈夫!?」
「私は。でもサイトくんが!」

メリーは拾ったナイフでアイリスを腕を縛る紐を切る。
しかしその時には彩斗の周辺は更なる惨状へと変わり果てていた。
そのあまりの凄惨さに身動きが取れずに頭を抱えて蹲る七海のことなど知る由もなく、無慈悲にも彩斗のつま先は不良の顔面を捉えた。
カポエイラとキックボクシングを合わせたリズミカルながらも必殺という言葉を如実に現した一撃は一瞬で戦闘不能に追い込んだ。

「ハァ…ハァ…」

8人いた不良は3人にまで減っている。
周囲に既に倒された5人とナイフ、ベレッタM92が転がっている。
本来、人間は恐怖を抱く為、凶器の方に目が向きやすい。
突然襲われても、凶器の方にばかり注意がいき、犯人の顔をはっきりと覚えていないことがあるというのも大概、これが原因だ。
だが今は凶器よりも倒れている5人に注意が向く。
パリあたりの石畳をイメージしたであろう地面が真っ赤な鮮血で塗ったくられた中に倒れ込んでいる。
それに顔面が潰れている者、骨格が砕けて人間としての原型が崩れている者、全身から出血し痙攣を起こしている者などあまりにグロテスク過ぎる、もはや殺戮現場さながらの光景だった。
それと引き換えに彩斗は一発か二発殴られた程度で向こうに与えたダメージからすれば、虫に刺されたのと同レベルだ。

「いい加減……くたばりやがれぇぇ!!!」
「??っ!ヤッ!!」

それでも尚、彩斗を襲い続ける彼らの姿は無謀を通り越して哀れに見えた。
本来ならば、群れていなければ1人では何もできない小心者の集団の不良でも不利な状況から逃げずに襲い掛かるという行動を取っている面では成長があったのかもしれない。
しかし、それでも到底、彩斗には及ばなかった。
捨て身の突進で刺しに掛かる。
だがそれに対し、彩斗は近くの柱を蹴って飛び上がる。

「なっ……」
「ハァッ!!!」
「うっ、おぅ!!」
「ヤッ!!」

高飛びの選手さながらの跳躍力を発揮し、空中で1回転を披露すると後方に回り込んで着地する。
そしてそのまま肘で斬りつけるように殴りつけ、腰に一発蹴りを加えてダウンさせた。
だが彩斗の動きはまだ終わらない。
腰に
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ