259部分:聖戦その四
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アはそれを見てセリスに対して促した。
「うん」
セリスは頷いた。そして前に飛ぶ。
ティルフィングを一閃させる。マンフロイの首が飛んだ。
さらに剣を縦に振る。首が縦にも切られた。
最後の叫び声すら無かった。マンフロイは光の中に消えていった。
「今までの報いだ。そのまま消え去ってしまえ」
セリス彼の身体が消えたのを見て言った。ユリアもそれを何時に無い強い表情で見ていた。
「行こう」
「はい」
二人は上へ向かう階段に足を踏み入れた。
一歩一歩進むごとに邪悪な、そして全てを威圧するような気が高まっていく。そのあまりの凄まじさに身体が動けなくなりそうになる。だが進まないわけにはいかない。気力を振り絞り上へと向かう。
屋上に出た。空に巨大な満月が見える。青がかった黒い空に血が滲んだ様に赤い月が浮かんでいる。
少年はその月の光に照らされていた。こちらに背を向け立っている。
こちらにゆっくりと振り向いてきた。白く中世的な美しい顔と紅の髪が月の光に映える。
「ようこそ。我が空の部屋に」
人の声と異形の者の声二つの声が同時に聞こえてきた。
「そして永遠にさようなら」
その紅の瞳が竜のものとなり耳まで裂けた口からは牙が生え爪は禍々しく伸びている。セリスとユリアも左右に跳び構えを取った。遂に最後の戦いの幕が開かれた。
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