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レインボークラウン
第四百十二話

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               第四百十二話  測ってみると
 美樹は自分が考えた通りウエストを測ることにした、まずは去年の胸のサイズをチェックしてからだった。
 あらためて胸にメーターを巻いて測った、下着の上からそうしてわかったことは。
「三センチね」
「大きくなってましたか」
「そうなっていたのですか」
「ええ、大きくなったことはなったわ」
 こうビルガーとファルケン、今も傍に控える彼等に答えた。
「実際にね」
「ではお友達の方々が言われたことは間違いではなかった」
「そういうことですね」
「大きくなったことは事実ですから」
「それでは」
「そうね、自分では気付かなかったわ」
 美樹は測った後服を着なおして自分の席に戻ってそこで腕を組んで言った。
「本当に大きくなっていたなんて」
「背や体重と一緒ですね」
 ビルガーがここで美樹に言った。
「言われるか測らないとわからないです」
「そういえば確かに」
 ファルケンはビルガーのその言葉に頷いた。
「そうしたことは自分では気付きにくいです」
「そうね、背についても」
 美樹はこちらの話もした。
「言われて気付いたし」
「そして胸もですね」
「そちらもですね」
「言われて実際に測って」
 そうしてというのだ。
「わかったから」
「だからですね」
「このこともですね」
「ご自身では懐疑的であられたのですね」
「どうしても」
「そうね、いやそれでもね」
 あらためてだ、美樹は言った。
「大きくなったのならやっぱり」
「嬉しいですか」
「それなら」
「大きい方がいいのかしら」
 また懐疑的な顔でだ、美樹は二羽に言った。
「どうなのかしらね」
「よくそう言われる人がいますが」
「やはりそうなのでしょうか」
「そこは疑問よね」
 どうにもという顔での返事だった。
「私は小さくてもいいとか大きい方がとか時と場合で思うことが違うけれど」
「そのことは」
「どうしても」
「答えが出ないわ」
「そうですね、我々も」
「そのことにつきましても」
「私も同じよ」
 どうしてもとだ、美樹は言った。そしてその美樹に母が言うのだった。運命的なそれを。


第四百十二話   完


                       2017・1・13
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