暁 〜小説投稿サイト〜
オズのアン王女
第五幕その二
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「それでもーーです」
「ネジは、ですね」
「巻いてーー欲しいーーです」
「では私も」
「お願いーーします」
 こうお話していました、そして。
 チクタクにです、五人の子供達も言うのでした。
「チクタクさんもオズの国の人で」
「機械の人になりますね」
「食べることも寝ることも必要ない」
「そして寝る必要もない」
「けれど、なんですね」
「私はーーネジです」 
 身体のそれがというのです。
「必要ーーなのです」
「巻いてもらわないとですね」
「動けない」
「そこが木樵さんやかかしさんと違いますね」
「大尉さんとも」
「そうなんですね」
「そうーーなのです」 
 いつもというのです、そしてです。
 その話を聞いてです、トトも言うのでした。
「ネジが止まるとチクタクも動かなくなるけれど」
「それがーー何か」
「その動かなくなる時が休憩かな」
 チクタクにとってというのです。
「そうかな」
「そうかもーー知れませんね」
 チクタクも否定しませんでした、トトのその言葉を。
「私にーーとっては」
「そう思うんだね、チクタクも」
「はいーーただ止まっているーー時は」
 ネジが完全に止まってです。
「私はーーその間のことをーー覚えていません」
「一切だね」
「何もかもがーー動いていないので」
「完全に眠っている?」
「そうしたーー状態ーーでしょうか」
 まさにそうだというのです。
「皆さんのーー睡眠とはーー違うかと」
「ああ、睡眠の時もね」
「夢を見るしね」
 ジョージがトトに応えます。
「寝ている間に」
「動いたりもするし」
 神宝は寝相のお話もします。
「寝相でね」
「いびきや寝言もあるし」
 カルロスはこちらのことを思いだしました。
「途中おトイレに行きたくなって起きたり」
「普通にぱって起きる時もあるわね」
 ナターシャも言います。
「寝ていても」
「起きたらお腹空いてて喉も渇いてて」
 恵梨香は起きた時のことを思い出して言います。
「そうした風なのよね」
「寝ていても身体の全てが止まってる訳じゃないからね」
 トトはムシノスケ教授や魔法使いといったオズの国の知恵者達から聞いたお話からジョージ達に応えます。
「心臓とかの内蔵はいつも動いてるから」
「寝相もあって」
「そう、夢も見るんだ」
「動いている部分があるからだよね」
 ジョージはそのトトのお話に頷きます。
「そうしたことがあるのは」
「そうだよ、完全に止まっていないんだ」
「人は寝ていても」
「それが生身なんだけれど」
「私はーーです」
 チクタクはといいますと。
「完全にーー止まります」
「そこが違いますね」
 大尉も言います。
「チクタクさんのお身体は」
「そう
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ