255部分:光竜降臨その三
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が相変わらずガラス窓を強く打っている。
「あの時も雨だったな。百年前とよく似ている」
暗き天から雷が鳴る音がする。黒く厚い雲の中で稲妻が蛇の様に蠢いている。
「だが今度は敗れはせぬ。私のこの力、最早この世を覆わんばかりだ」
雷の落ちる音と雨の降り注ぐ音が夜の静寂の世界を獣の咆哮の様な音で奏でている。
「ナーガよ、貴様はこのバーハラで滅びる。私のこの暗黒の力でな」
雷が側に落ちた。その光が闇の中ユリウスの姿を照らし出す。牙と爪を禍々しく伸ばし竜の眼を持ち闇の中に笑うその姿は人のものではなかった。その影も笑っていた。影もまた人のものではなかった。異形のもの、邪悪な気を発する暗黒竜のそれであった。
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