外伝
外伝《絶剣の弟子》H
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剣で仮想の空気を切り裂く。剣閃は理想の軌跡をなぞり、確かな手応えと共に停止した。
「調子良さそうだな」
「……自分でも驚いてます」
おもむろにカイトさんがこちらに向かって歩き出し、虚を突くように刀を鞘走らせる。途端、世界がスロー再生のように減速し、銀閃が顎の下めがけて迫ってくるのが見えた。
(防ぐのは無理。躱すだけなら、なんとか……!)
下がって避けるには時間が足りない。故に、首を横に傾けギリギリで回避する。
「お」
「危ないですよ!」
続く剣閃も何とか回避すると、今度はこちらから斬りかかる。カイトさんは斜め下からの切り上げを涼しい顔で避け、再び攻撃に転じてくる。この攻撃には身構えていたのでちゃんと反応できる。左腕を胸の前に引き寄せ、盾で刀による突きを弾いた。
「なんだお前、中々やるじゃねぇか」
「……偶々、ですよ」
今までとは異なり、格段に動けるようにはなったが、どう動けば良いのかはまだ全然分からない。それを学ぶためにこうしてカイトさんたちに協力してもらっている最中で、言わばこれはようやくスタートラインに立った状態だ。決して慢心はしてはならない。
「おし。じゃあ段々とギア上げてくぞ。反撃も思いつくまま叩き込んで来て良いからな!」
「はい、お願いします!」
今の抜刀術も全然全力ではなかったらしく、カイトさんが仕切り直してからは段階的に攻撃のスピードと鋭さが増して行った。その猛攻の一瞬の間隙にこちらの反撃を割り込ませて、なんとか一撃を入れようとするがそれは中々決まらない。その部分についてのアドバイスは当然貰えなかったが……ALOを始めてから恐らく初めて、自分の技術が成長したと実感した時を過ごすことが出来た。
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