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ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
外伝
外伝《絶剣の弟子》H
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一言だけ発したユウキさんとの沈黙が解けるのを待つ。彼女は視線を前に戻して目を開けたままじっと何かを考えている様子だった。
 2分か3分経った頃、ようやく口を開くと、予想に反して明るい口調で言った。

「……まあ、なんていうかな。昔のことは言っても仕方ないし、ボクはライトのこと、許すよ」

 それから凝った体をほぐすようにぐぐっと伸びをしてからまた口を開く。

「後、多分……ライトが考えている程、姉ちゃんはライトのこと怒ってないし、むしろ気にしてたと思う」
「え……?」
「その時は別の人……というかレイのことだと思ってたんだけど……姉ちゃんは時々『私たちの病気のこと分かってくれる人もいた』って言ってて。今思うと、それきっとライトのことかなって」
「……俺は、別に……分かってた訳じゃ」
「それに、多分ライトが姉ちゃんの初恋の人だし」
「…………え?……ええっ??」

 少し、いや、かなりおかしな発言がユウキさんの口から出てきた気がする。今日2度目の思考停止。

「多分、そうかな。うん……ミナミ君、だよね?ライトって」
「……………あの、その。その話はかなり興味あるんですけど、本題から逸れるので……今度、時間があるときに……」

 恥ずかしがり屋だなぁ、とからかうような目を向けてくるユウキさんにいいですから、と強引に話を戻す。

「うーん、でもボクから言うとすれば……ライトにはお礼を言わなくちゃかな」
「いやそんな……」
「ううん。姉ちゃんとボクがキャリアだっていう噂が広がった後も姉ちゃんが学校行けてたのも、ライトが居たお陰だよ」

 ユウキさんの言葉はまるで……俺が被って来た加害者だという後悔を洗い流していくようだった。綺麗さっぱり消えるわけではないけれども、長く肩に乗っていた荷が降りるような、途端に世界が色付くような、そんな気分になっていった。
 本当に本人がそう思っていたかは今となっては確かめる方法は無い。しかし、ようやく前を向いて歩ける、と。
 そんな気がした。








 その夜の修行はALOでつけてもらうことにした。

「良いのか?」
「ええ。やっぱり、体感覚を同じにした方が効率が良いと思いますので」

 ここの所、毎日2時間はALOにログインしていたので最初は少し違和感があったが、カイトさんが来る前に少し体を動かして感覚を調節しておいたおかげでで違和感は少なくなった。

「……何かあったのか?」
「そうですね。個人的なことですけど、胸の支えが取れたというか。色々整理が付きました」
「そうか」

 それどころか、いつもより体が軽い。感覚が鋭敏になっていて、剣や盾の感触がいつもよりしっかりしている気さえする。

「ふっ……??」

 気の向くまま、
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