外伝
外伝《絶剣の弟子》H
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
あー、つまり簡単に言うとだ。俺たち3人は家族で、3人揃ってALOプレイヤーで俺とセラは最近ちょっと怪我して……俺は少しゲームをお休み中って訳だ。比較的軽傷のセラも、俺は言わずもがな、昨日は外出許可が出なかったんでオフ会は行けなかったんだ……他に何かあるか?」
自分を中心とした人間関係ではなく、既にある人間関係として再度認識すれば、段々と落ち着きを取り戻す。
「いえ……すみませんでした。取り乱して」
「気にすることはない。直球に可燃物を投下するセラが悪い」
その言葉にセラさんは不服そうにしているが、特に何かを言ったりはしない。かと言って悪びれた様子も無いが。きっとアレはわざとやったのだろう。
「それで、ライトは今日はどうしたの?学校休み?」
「う……えっと、学校は休みました。今日はその……ユウキさんに話したいことがあって」
「リアルで打ち明けたいことがあってここを調べて来たんだと。俺たちがいない方がいい話なら、席を外すが?」
多分、この人たちには気を使う必要は無いのかもしれないが、2人きりの方が話し易くはある。しかし、会ったばかりの人、それもユウキさんと並ならぬ関係の人を差し置いて2人で話して良いものだろうか、と悩んでいると、ユウキさんが車椅子を自分で動かしながら俺の隣までやって来た。
「ボクへの話なら、まずはボクが聞くよ。それが話して良いことなら、2人にも話すから。それで良い?」
「ああ」
「お兄様が良いのでしたら」
2人はあっさりと頷く。あるいは、俺の葛藤を見透かされて気を使われたのかもしれない。
解散の雰囲気の中、隣に座っていた青年がふと思い立ったように向き直り、手を差し出してくる。
「そう言えば、俺は自己紹介がまだだったな。仮想世界では"レイ"と言う。そのうち遊ぼう」
「あ、はい。ライトです……そうですか、あなたが」
「……お前ら何吹き込んだ」
レイさんの手を握り返しながら、ユウキさんとセラさんを見てみればごく自然にそっぽを向いている。主にレイさんのアレやコレを吹き込んだのはユウキさんだが、それを指摘するのも野暮だろう。
「んんっ、まあ、あれだ。こいつは見た通りの危なっかしいやつだから、頼んだぞ」
「分かりました」
その言葉に不満を表すユウキさんを尻目に、レイさんは少し微笑んだ。
第一印象は少し怖かったけど、案外話してみればそうでも無いことが分かる。今度はALOで会うと約束し、レイさんとセラさんと別れると、俺とユウキさんは揃って病院を出た。
「それで、話って?」
「あ、はい。その……」
どこから話そうか暫し思案した後、思い切って話し出す。5年前、自分があの学校でユウキさんの姉と友達で、あの時何をしてし
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ