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ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
外伝
外伝《絶剣の弟子》H
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り難さを感じた。

「何故、彼女のことが知りたい?」
「……俺は……彼女に伝えなければ、謝らなければならないことがあるんです。それで……今朝思い立って……ここを調べて、来ました」

 青年は俺の答えを聞くとスッと目を細め、こちらに向けていた圧力を緩めると、少し違った雰囲気で尋ねてくる。

「そうか。君は……仮想世界で彼女に会ったのかな?」

 間違いない。この人はユウキさんを知っているし、事情を理解してる人だ。

「そうです。アルヴヘイム・オンラインというゲームで知り合って……その、色々助けてもらっていて……昨日もオフ会で会ったんですけど……」
「なるほど。今日になって言いたいことができた、と。しかも仮想世界ではなく現実で」
「は、はい。あの……もしかーーー」

 ーーーして貴方もALOプレイヤーでユウキさんの仲間ですか、という本来の目的から若干逸れた話題にシフトしかけた時、突然近くで声が挙がった。

「あれ?ライト?」
「っ??あ……ゆ、ユウキさん。こんにちは……」

 噂をすれば影が指すというが、まさに話題の渦中の人物がやって来る。車椅子を押してるのは凛とした雰囲気を纏った小柄な女性だが、こちらも入院着を着ていることから、青年と同じように怪我で入院していると見られる。

「……えーと、どうしたの?具合悪いの?」
「え、いや……そういう訳では……」
「おう。2人ともお帰り……さて、揃ったところで少し話を整理するか」

 ユウキさんと車椅子を押している女性に挨拶をした青年は、混沌としてきたこの場をとりあえず鎮める。

「ユウキと君は、知り合いなんだな?」
「うん、そうだよ。ライトはALOでのボクの弟子!」

 と、ユウキさん。確かにそうだが、改めてそういう風に宣言されるとどこかこそばゆいような気もする。

「そして昨日からは私の弟子でもあります」

 突然口を開いた女性がごく真面目な顔でそんなことを宣う。もちろんこんな人は知らないのだが、その雰囲気には心当たりがあった。

「……あ、もしかして……セラさん?」
「はい。そうですよ。ユウキお姉様は歳下ではありますが、お兄様の()()()ですので、昨日も言った通り義理の姉です」
「あーなるほど義理ってそうい……って、こん……??え、えぇ??」

 思わず声を大きくし、青年の方とユウキさんを何度も交互に見てしまう。
 混乱する俺を青年の人はやれやれ、とため息を吐くと落ち着けのジェスチャーをしながら言った。

「待て待て。1つずつな……まあ、そういうことだ。俺がその婚約者で……セラの兄だ」

 …………ダメだ。頭が痛くなって来た。昨日の夜発覚した衝撃事実にプラスアルファで理解の許容範囲に限界が近い。


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