252部分:壊れぬものその四
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・・・した・・・・・・い・・・・・・」
「そんな・・・・・・」
青い瞳が霞んで見えなくなってきた。
「けどいま・・・・・・おまもり、でき・・・・・・て・・・・・・。これで・・・・・・わたし、も・・・・・・にいさま・・・・・・を・・・・・・」
「ユリア、もういい。喋らなくていいんだ」
「・・・・・・・・・」
ガクリ、と頭が落ちる。瞳から光が消えていき急激に身体が冷えていく。
「ユリア!?ユリアーーーーーッ!」
返事は無い。いくら叫んでも揺さ振っても何も返っては来ない。
「そんな、やっと兄妹だってわかったのに・・・・・・」
動かなくなってしまったユリアを抱き締める。涙が溢れ出ユリアの顔を濡らす。
「ユリア・・・・・・ユリア・・・・・・」
それでも名を呼ぶ。しかし彼女の唇は開かれなかった。
「セリス」
ここでレヴィンが出て来た。
「ユリアは死なない」
一同その言葉に振り向いた。
そこにはレヴィンがいた。絶望に沈み込んだ部屋の中で一人希望を持って立っている。右手に何か厳重に作られたダイアの箱を持っている。
「バーハラに行くぞ。そこでユリアは帰って来る。全ての幕を降ろす為にな」
「幕!?」
「そうだ。遂に来たのだ。全てが終わる時が」
彼は一同に対して言った。
「行こう、そしてその時を見るのだ」
一同はレヴィンに促されユリアの遺体を抱えヴェルトマーを後にした。
「蛍・・・・・・!?」
夜ユリアの棺が置かれている天幕の中で巡検の兵士が青と紫の二つの光を認めた。
「蛍にしては少し大きいな。何だろう」
それは近寄ると遠くに飛んで行った。そして何処かへ消え去ってしまった。
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