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提督はBarにいる。
山風のお悩み相談・その3
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恐れるのも無理はないとは思うのだが。

「そ、それはそうだけど……」

「それにな、山風だってウチの戦力として立派に稼いでるんだ。つまりはあのキツい訓練を確りとこなしてるんだぞ?」

 五十鈴は最古参のメンバーであり、俺が直接指導した数少ない(本当の)地獄を見た面子である。その厳しさは身体が覚えている。

「あんだけ厳しい訓練を積んだ奴を、過保護に心配し過ぎるのは相手への侮辱になるとは思わねぇか?」

「…………そうね、確かにそうだわ」

 五十鈴は真剣な眼差しになって、山風の顔を見据える。

「ごめんね、山風。あんたが他の娘よりも小柄で頼り無さげに見えたから……護ってあげなきゃって勝手に思ってた。でも、それはあんたにとっては大きなお世話だったのね」

「いえ、私も……小さいのは解ってましたし、それに、鎮守府の皆に優しくして、貰えるのは、イヤじゃ、ない、です」

 どうにか和解は成立したらしいな。

「ま、何事もやり過ぎはイカンってこったな!」

「あら?じゃあ訓練の内容も軽くした方が良いんじゃない?」

 馬鹿言え、アレは必要最低限の事しかやってねぇんだぞ?本当ならもっと仕込みたい事は沢山あるのだ。そんな会話をしていたら、いつの間にやら20分経っていた。豆腐とネギを加えて強火にして、一煮立ちして豆腐とネギにも火が通ったら出来上がりだ。

「ハイよ、『特製タコのキムチ煮込み』。熱いから気を付けてな?」

 そう言いながら煮込みを2人前盛り付け、マッコリの瓶を出してやる。ロックアイスの入ったグラスを2つ。注ぎつ注がれつ、仲良く味わって貰おう。レンゲでタコを掬い、同時に口に運ぶ。

「「あっつ!」」

「そりゃあ出来立ての鍋物だぞ?熱くない訳ねぇだろが」

 タコにキムチの酸味と辛味が絡み付いて、これまた絶妙な味になる。そして口直しの豆腐も頬張り、ロックで冷えたマッコリで流す。

「ふぅ……美味しいわね」

「はい、美味しいです」

 2人は顔を見合わせ、にこやかに微笑んでいる。




 さて、前菜、メインと来たらお次は主食。

「お前ら、タコ飯とパスタならどっちにする?」

 タコ飯といってもそこは俺、普通の和食のタコ飯は出すつもりはない。パスタも期待して貰おう。

「う〜ん……悩むわねぇ」

「なら、2人で違う物を頼んで、半分ずつ交換……でどうです、か?」

「良いわねそれ!そうしましょう!」

「あいよ、タコ飯とタコパスタ。どっちも1人前ずつね」


 さて、ちゃっちゃと作ろうか。

《タコの新たな魅力!エスニックタコ飯》

・米:2合

・茹でタコ:150g

・レモンの輪切り(出来れば国産):8枚

・セロリ:小
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