一年生
横浜騒乱編
其ノ壹/再来
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しだし、深雪と真由美は服装の乱れを直し始めた。
そんな三人を見ながら、一高の生徒は困惑の表情を浮かべる。
それは仕方のないことだろう。常に余裕を持って物事に接している風な三人が挙って慌てだしたのだから。
と、客席から真夜と深夜が慌ただしく降りてきた。
「たーくん、まーちゃん、真由美ちゃん!きーくんが来るわ!移動手段は擬似瞬間移動、天井からここに突撃してくると思うから、万が一周りに被害が出ない様に???」
一高の生徒の驚愕が、真夜が達也たちに話しかけた事で上書きされる前に、そして真夜の言葉を遮る形で、銃声が轟く。
銃弾がステージの後壁に食い込んだ。
その威力から、達也が推定するに対魔法師用ハイパワーライフル。
たかだかチンピラが持つものとは考え難い。故に大亜連合だろう、と達也は一瞬で考える。さっきまで慌ててたくせに。
「大人しくしろっ!」
その怒声は何処か辿辿しさを感じさせた。外国人であるとしても、入国してきたのは最近の事であると素人目でもわかるほどだった。
それを聞き、達也は、やはり大陸の人間か、と思った。つまり確信したのだ。
「お義母様、貴将の到着まで、後どれくらいですか?」
小声で、彼は深夜に聞く。
意図は、自分で始末した方が早いか、貴将を待つ方が早いかを見極めるためだった。
「待ってね。…え、ちょ、え!?」
それに対する答えは、最初は小声、後の方は叫び声であった。
当然、それを聞き、テロリストはそちらに注目する。
「おい、そこのオマ???」
と。
天井が突如蒸発し、膨大な、想子の嵐が降ってきて。
「呼ばれて飛び出てどんどこどーん」
貴将の声と共に、音を伴わず、閃光が会場を埋め尽くした。
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