251部分:壊れぬものその三
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壊れぬものその三
「そして最後に自分の子であるユリウス様の手により葬られるという名誉を与えてやった。その時の嘆きと絶望、まことに美味であったぞ」
「・・・・・・貴様が全ての元凶か」
セリスはそれを聞いて声に怒りを込めた。
「貴様の企みによりユグドラルは暗黒に包まれ多くの罪無き人達が命を失ったというのか・・・・・・。父上と母上、そしてユリア、全てが貴様の為に・・・・・・」
「だとしたらどうする?」
マンフロイは再び笑った。
「許さない・・・・・・」
セリスは言った。
「貴様だけは許さない、この命に替えても貴様だけは倒す!」
セリスの怒りが爆発した。全身に炎が宿る。
「出来るものならな」
マンフロイは嘲笑すると右手を掲げた。後ろに無数の黒い顔が浮かんだ。
顔は一斉にそれぞれ独自の動きをしてセリスに襲い掛かった。セリスはそれを一つ一つかわした。
「やるのう。だが一つ忘れていることがあるぞ」
ユリアが光球を放ってきた。
かろうじて直撃は避けた。だが至近だった。炸裂した衝撃を受け倒れ込んだ。
「これで終わりじゃな」
ユリアの手から再び光が放たれる。凄まじい獣の様な唸り声をあげ倒れ込んでいるセリスに襲い掛かる。
「させないっ!」
セリスは倒れこみながらも渾身の力でティルフィングを横に払った。
光球が横一文字に斬り払われる。二つに分かれた光はそのまま霧消した。
「ぬうっ!」
マンフロイの顔が歪む。セリスはその隙に立ち上がった。
「ユリア、聞いて欲しい」
人形の様に表情を変えないユリアに対し声をかける。
「父上と母上にお会いしてきたよ。そしてその時に言われたんだ。君のことを頼むと」
「・・・・・・・・・」
ユリアは答えない。
「聞いたよ。僕達は実の兄妹だ。父上と母上がこの世に授けてくれた二人きりの兄妹だ。その絆は決して離せない」
「きず・・・・・・な・・・・・・」
ユリアの口からポツリ、と言葉が出て来た。
「兄として僕が君に出来るのはたとえどの様なことがあろうとも君を守り続けること。今はその束縛から君を解き放つこと」
「そく・・・・・・ばく・・・・・・」
「ユリア、目を覚ましてくれ。君が元気な姿で帰って来るのを楽しみにしている皆がいる」
「皆・・・・・・」
ユリアの瞳の色が変わりだした。その時部屋の扉が大きな音を立てて壊れた。
「セリス、無事か!?」
シャナンがバルムンクを手に部屋に駆け込んで来た。どうやら剣で魔力がかかった扉を断ち切ったようだ。彼の後からオイフェやクロード、そして解放軍の将兵達が続く。
「シャナン、皆も・・・・・・」
「セリス、もう大丈夫だ」
シャナンはそう言うと剣を構え前に出て来た。だがそこで異変に気付いた。
「ユリア、生きてい
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