第3章:再会、繋がる絆
第92話「優しさの報酬」
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み、母さんが心配してくる。
「治るのが少し遅れるけど...それで親友の命が救えるのなら惜しくはない...!」
「手が空いている人は栄養補給になるものを用意して頂戴!それと、魔力が少しでも残っている人は八束神社に転移するための魔法を!」
アースラが地球に向けて動き出し、椿が指示を飛ばす。
地球にアースラが着くのに約10分かかり、その間に休めば転移一回分の魔力は回復する。
「奏、魔力は残っているか?」
「...まだ、魔力結晶がいくつかと少しだけ...。」
「借りるぞ!」
宝具を維持するため、奏と一時的にパスを繋いで魔力を借りる。
宝具に集中するため、魔力結晶での回復は奏任せだ。
「アリシア!ちょっとこっちに来て頂戴!」
「えっ!?何!?」
「深呼吸して、気を落ち着けておきなさい。」
椿がアリシアを傍に呼び寄せ、少しの間霊力を流すのを中断する。
もちろん、その間は僕が椿の肩代わりをする。
「霊力を借りるだけなら、これで...!」
「な、何を...!?っ、椿、これって...。」
「貴女の霊力を借りてるのよ。少しの間我慢して頂戴。」
椿も僕と奏のようにアリシアとパスを繋ぐ。
霊力を借りられるのは、体力を吸われるのに近いので、感覚はあまりよくないだろう。
「私に、そんな力が...?」
「理由は詳しくは知らないわ。でも、今はそれがありがたいの...!」
“自分も役に立てる”。そう思ったのか、アリシアは霊力を譲渡するのに集中した。
「優輝のおかげで、完全に安定しているわ...!これなら、確実に霊脈まで持つ...!」
「それがこの宝具の力だからな...!」
この宝具がなければ、未だに衰弱の方が早かっただろう。
だけど、この宝具は“絶望”を打ち破るのには最適だ。
最善の未来を掴むため、この宝具は因果すら凌駕する...!
「着いたぞ!」
「転移!急げ!」
クロノの声と共に、母さんと父さんが転移魔法を発動する。
ちなみに、外で待機している皆には、リニスさんが説明しに行っており、だが邪魔をしないように抑えているらしい。
「転移、八束神社!」
魔法陣が僕らを包み、僕らは八束神社の境内裏へと転移した。
「光輝!結界!」
「ああ!」
「椿!霊脈を!」
「分かったわ!」
転移してすぐに父さんが認識阻害の結界を張り、椿が霊脈を弄る。
痛む腕を無視し、司を抱えて神社の縁側に寝かせる。
「っ、繋げたわ!これで....!」
「...安定...か.....っ!?」
「優輝さん..
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