暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第3章:再会、繋がる絆
第92話「優しさの報酬」
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自ずと回復していきます。〉

 マルチタスクを使いながら、どうすればいいか高速で考えていく。

「椿、葵。霊脈を使えば補えるか?」

「...ええ。でも、そこまで持たないわ。」

 ...つまり、霊脈がある場所...八束神社まで彼女を生き永らえれば良い訳だ。

「条件は理解した。後は、それを満たす手段だ...!」

 自身の記憶を探り、何か手はないか探す。
 グリモワールにそのような魔法が載っていないのは既に理解している。
 載っているのは、どれも傷などを癒すもので、“生命力を補う”魔法ではない。

「...もう、大切な奴が目の前で喪うのは嫌なんだよ...!」

「優輝...。」

 一度目は、志半ばで斃れた。
 二度目は、目の前で自分を庇って殺された。
 三度目は、結局助けられずに、自ら殺した。
 四度目は、目の前まで来たのに、結局届かず仕舞いだった。

 ...その四度目を覆してまで、ここまできたんだ...!

「絶対に...助ける!!」

 時間が足りない?手段がない?そんなの関係ない!
 そのための“創造魔法”だろうが...!

「何か、何か手があるはずだ...!」

 そう。それこそ、アニメとかにある奇跡のような手段が...。
 ....“アニメのような”....?

「そうだ...!」

 そこで僕は一つの手段を思いつく。

「.......。」

 その手段を実行すべく、脳内で術式を組み立てる。

 ...僕は転生者だ。一度は死に、そして生まれ変わった存在だ。
 僕の場合はそれが二回あった訳だけど...今はそれは関係ないので置いておこう。

 Fateというゲームやアニメ、漫画に“宝具”と呼ばれる切り札が存在する。
 大体がとんでもない攻撃力や、特殊能力を持っている。
 それは、その宝具の持ち主が歴史に残るような事象を基に存在している。
 そして、その宝具を持つ存在は“英霊”と呼ばれる...一度死んだ英雄だ。
 中には反英雄となる真逆の存在もいるが、今は割愛する。

 英霊と転生者...どちらも“一度は死んだ存在”だ。
 そして、僕は過去に“導王”として歴史に名を遺した。
 ...つまり、Fateで言う英霊の条件を満たしているのだ。

 フィクションだから意味がない?
 いや、特典として使えたり、僕自身も“熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)”を模倣した事がある。
 模倣できたという事は、どこかにFateの世界が存在しているという事。
 ...まぁ、詳しい話は置いておこう。

 簡潔に言えば、僕自身に“英霊”としての条件を当て嵌める。
 そして、宝具を使えるようにする。
 恥ずかしい話だが、導王としての僕は“導きの
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