第3章:再会、繋がる絆
第92話「優しさの報酬」
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を外に連れて行ってくれ。」
「...わかった。」
「放せ!放してくれ!」
「暴れんなっての!あたしたちじゃ、どうしようもねーんだ!」
何を仕出かすかわからないと見かねたクロノが、シグナムさんとヴィータに指示を出す。
バインドを使ってまで、二人は織崎を外へと連れだした。
「........。」
「優輝...?」
皆が悲しむ中、僕はそっと眠る彼女の手を握る。
...触れるだけでもわかる。椿と葵が霊力で命を繋ぎ止めているが、それでも持って10分超えれるかわからないぐらいだ。
それほどまでに、既に彼女の体から生命力が消えていた。
「...僕はここに残るよ。なのはとか、子供は外に出ておいた方がいいよ。....死ぬ瞬間なんて、見たくはないでしょ?」
「っ...優輝さん...!」
奏が、声を震わせながら僕の名前を呼ぶ。
きっと、今の僕はほとんど感情が顔に出ていないのだろう。
...それほどまでに僕も精神が追い詰められているのに、彼女は気づいたようだ。
「...私が連れて行きます。」
「私も行こう。主や神夜を外に放ってはいられない。」
なのは達を連れ、リインフォースさんやシャマルさん、アルフさんも出ていく。
残ったのは魅了に掛かってない人だけになった。
「奏、アリシア。二人も...。」
「...ううん。私は見届けるよ。」
「...私も。例え、悲しくても...。」
アリシアと奏はどうやら残るらしい。
既に悲しみで顔が歪んでいるのに、意地を張っちゃって...。
「...それに、まだ、諦めてないでしょ?」
「なに...?」
アリシアが、まるで見透かしたようにそう言い、クロノが少し驚く。
「...驚いた。いつの間にそんな観察眼を?」
「ただの直感だよ。...でも、合ってるでしょ?」
「...まぁ、ね。」
アリシアの言葉を肯定しながら、僕は一度立ち上がる。
...そう。ずっと、医務室に入ってから考えを巡らせていた。
どうすれば助けられるのか。
どうすれば生命力を補えるのか。
マルチタスクをフル活用し、超高速で僕は思考を巡らせていたのだ。
「シュライン、聞いておきたい。どうしてこうなった?」
〈...天巫女の全力を出し尽くしたからです。つまり、単純にジュエルシードの力を使い果たしたため、マスターの生命を維持する機能が停止しました。〉
「やっぱりか...。」
大体は予想していた。
第一、あれほどの“闇”を祓ったんだ。力を使い果たしただけで済んだ方が凄い。
「じゃあ、その生命力を補えばいいんだな?」
〈はい。そして、足りていない栄養を補給すれば、
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