暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第2章:異分子の排除
第43話「システムU-D」
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きながら、呆れたようにそういう束。

「帰ってきてからチヴィットに聞けばいいけど...私の予想でも聞いておきたいみたいだね。」

「...ああ。大事な生徒だからな。」

「皆も気にしてるみたいだし...でもちーちゃん、一応覚悟しておいてね。」

「...?何をだ?」

「家族を見限る覚悟をね。」

 その言葉に、千冬が何かを言う前に束は自身の予測を述べる。

「ゆーちゃんの心が傷ついたのは、一重に言えばさー君が負傷したから。じゃあ、さー君があれほどまでの実力を持ちながら負傷したのはなぜでしょう?」

「.....まさか....。」

「ちーちゃんの思った通りだよ。....織斑一夏がやったんだよ。」

 “敵”に対して、桜が負傷する事は実力的にほぼありえない。
 だが、形式上とはいえ“仲間”にやられたのなら?
 そう考え、嫌な予感がした千冬だったが、それは的中してしまった。

「漁夫の利というか、さー君が相手にしている所を纏めてグサリとかしたんだろうね。その結果ゆーちゃんに叩き落された訳だけど。」

「なぜ...なぜ一夏が!」

 そこまでする奴ではないはずだと、千冬は声を荒げる。

「さぁね。大方逆恨みなんじゃないの?ちーちゃんだって、この臨海学校で今後の接し方を考えていくつもりだったでしょ?ちょうどいい機会だよ。」

「.......。」

「...そろそろ戻ってくるよ。」

 いつものおふざけがない分、千冬は束の気迫に押され気味だった。
 とりあえずという事で、戻ってきた秋十達を迎えに行くことにする。





「.....内臓に達してます。これだと...。」

「心配ナッシング〜!束さん特製ナノマシンがあれば内蔵の傷だって修復しちゃうよ!」

 福音を回収し、密漁船にしかるべき対処をした後、千冬達は桜の様子を心配していた。
 唯一、束だけは“大丈夫”だという確信を持って、いつもの調子に戻っていた。

「...それで、実際何があったのだ?」

「実は...。」

 千冬はシュテル達から経緯を聞く。



「....という訳です。」

「...あの馬鹿者が....!」

 事情を粗方聞き、千冬は憤る。あまりにも自分勝手な行動だったからだ。
 束の予想通りだった事もあり、その怒りは生半可ではない。

「ちーちゃん、今はあんな奴に構ってる暇はないよ。」

「っ、そうだったな...。...エーベルヴァインを救う明確な方法はあるか?」

 束の言葉に、今はユーリを助ける事が先決だと思い、千冬は意識を切り替える。

「...単純に戦闘不能にするか、ユーリを目覚めさせればいいはずです。」

「あれは暴走ではなく、過保護なエグ
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