第73話 零
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間らしかった。
「でぇ、私とあの子を引き合わせたのは何が目的なわけぇ?」
率直な質問をぶつけてみる。
こいつらが何も考え無しで動くはずがないからだ。
「ララからあるデータを取っているんだがね。友達を失ったショックが大きくて正常な数値が測れない状態なんだ」
そう言った後でエレベーターから黒白はっきりと半身で分かれ、食虫植物のような物に覆われている不気味な姿の研究員が出て来た。
?
変な奴がいるものねぇ
「彼は生まれ付いて愛情が深く、感受性が鋭くてね。今回の一件で素晴らしい眼をてにいれたんだが、不安定になってしまったんだよ」
大きな愛の喪失や自分自身の失意にもがき苦しむ時......
脳内に特殊なチャクラが吹き出し、視神経に反応して眼に変化が現れる
「心ヲ写ス瞳......写輪眼」
「そうだねー。彼はいい感じになっているから。協力して欲しいな」
一人の人間なのに黒と白で別々の人格が宿っているかのようにそれぞれ話を始めて、食蜂は改めて引いた。
「そんな事言われてもぉ、今の私の能力じゃぁ......友達の記憶を完全に消す事も書き換えることも難しいわよぉ」
白黒の男はギラギラと鋭い歯を見せて笑みを浮かべると食蜂の頭を撫でた。
「そうだね。だけど君なら彼と良い友達になると思うよ」
その日からカリキュラムを終えた食蜂は彼『ララ』の居る部屋に遊びに行く事が命じられたが、程よい日課にもなっていた。
今日も部屋のノックをして中に入る。
「......失礼するわぁ」
「今日も来てくれたんだ!みさきさん」
彼のふわふわとした天然具合にほっとけなくなって、色々説明すると子犬のように幾何学模様の眼を輝かせて聴いてくれる。
単調な実験生活の中で彼と話しをしたり、遊んだりするのが少しだけ光となって食蜂を照らしているかのように感じた。
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