1章
トランポリン2
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跳んでいる。
私はなぜか跳んでいる。
私、Aの心の友であるNと。
児童館にあるトランポリンで。何故こうなったのか。時を遡ってみよう。
私たちが通う、NK小学校の5−1の教室。ようやく六時間目が終わって放課後になった。席に座って学級日誌をせっせと書いていると、私の心の友であるNが彼を愛しているIくんとAくんにまとわりつかれながらやって来た。IとAは決してホモではない。いわゆる兄弟愛のようなものだ。勿論Nも、である。
ところで・・・
「で、A」
やっと本題が来たな。来い!本題!
「今日の放課後、こいつらと児童館で遊ぶんだけど、Aも一緒に来ない?」
「別にいいけど」
今思い返せば、ここで了承したのが原因だった。
なんと、NはIとAからドタキャンされたのだ。まあ、ドタキャンというか、来れるかもしれないけど今は来れない、と言われたのは実質ドタキャンとあまり変わりないだろう。
地味に心に傷を負ったであろうNが「トランポリンで跳ぼう」といった。それを私は了承し、今に至る。
Nは知らんが、私は無心で跳んでいる。ただ無心で、唯一、跳ぶための筋肉は使っているが、それ以外はほぼ使っていない。 ような感覚。
ふと横を見た。すると、Nが盛大に滑った。それに巻き込まれるように私も滑った。
Nは勢いのあまりトランポリンから落ちた。私はかろうじでトランポリンから落ちなかった。
突然の事でNが呆然としていたため、その間にそっとそのの場から立ち去った。
後で聞いた話によると、その後一人残されたNは駆け付けた、児童館の職員の人とIにまじめに心配され、Aは爆笑しものすごく恥ずかしい思いをしたのだという。
いやぁ、あそこから立ち去ってよかった。
マジで。
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