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もう一人の劣等生
留学生

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冬休みも終わり、今日から三学期だ。
一時間目の授業が終わり、休み時間になった。
A組に留学生が来たと、噂になっている。
二時間目の休み時間のことだ。
エリカが興奮して話している。
『なんか、凄い美少女なんだって、噂では上級生まで見に来てるみたい』
「エリカは見たのか?」
『人が多すぎて無理だよ』
『エリカが行かないなんて、珍しいな』レオが言ってから、エリカに殴られていた。

*****

昼休み

俺にしては珍しく、達也達と昼食をとることにした。
学食に行くと深雪達・・・光井さんと昨日の変な服の外国人が一緒にいた。
『同席しても良いかしら?』
金髪の外国人の子が上手な日本語で聞いてきた。
『どうぞ』達也が言う。
『達也さん、紹介しますね』光井さんが達也を見て言う。
『こちら、アンジェリーナ・クドウ・シールズさんです、A組に留学してきた方です』 
『リーナって呼んで下さい、よろしくお願いします』
『よろしく』
『E組の司波達也です、深雪の兄です、呼びにくければ[達也]と呼んで下さい』
『じゃあ、タツヤと呼ばせて貰うわ、私は[リーナ]でいいわ、後敬語はなしで』
「四葉刃更ですよろしく、シールズさん」
『エッ・・・』リーナが固まった。
「どうかしましたか?」
『いえ、あの、聞きずらいんだけど、ヨツバって、あのヨツバなの?』
「ああ、その四葉で間違いない」
『そう、よろしくヨツバくん』
その後は順番に自己紹介していった。
『私は千葉エリカ、エリカでいいわ』
『私は柴田美月、ミヅキでおねがいします』
『俺は西城レオンハルト、レオでいいぜ』
『僕は吉田幹比古、ミキヒコでいいよ』
『エリカ、ミヅキ、レオ、ミキヒコ、よろしくね』
あれ?俺だけ名前じゃないぞ、まさかの仲間はずれか。
『ねえリーナ、なぜ刃更さんだけ名前で呼ばないの?』深雪が聞いてくれた。
『あの、その・・・ヨツバだし』
「名前でかまわないぞ」
『じゃあ、バサラあらためてよろしく』
「ああ、よろしくリーナ」
リーナが小声でボソボソ言っている『シールズでいいのに・・・』
食事が終わって雑談をしていると達也がリーナに聞いた。
『ところで、リーナは九島閣下の血縁か?』
『あら、よくわかったわね、そうよ、私の母方の祖父が九島将軍の弟なのよ、その縁で今回の交換留学になったみたいよ』

なぜ九島烈が閣下と呼ばれているかと言うと、退役将官であることに由来する敬称だ、日本では老師とも呼ばれている。
弟は渡米して家庭を築いた、当時は今と違い国際結婚が奨励されていた。
こうしてA組の留学生との顔合わせは無事に終わった。

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