みほちんNOW完結記念企画編
美保鎮守府NOW-Side B- PART0
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
コトガ デキルカモシレナイ?
そんなどす黒い感情が、腹の底から沸き起こる。しかし、敵として対峙するのは私の本望ではない。私はあの人の側に、仲間として、恋人として寄り添いたいのだ。
「敵対しては意味がないわ。私はこの選択肢は選ばない」
「そうですか?この力があれば提督さんを独り占め出来るかもしれませんよ?」
「それでも、よ。あの人を手にかけてまで欲しいとは思わない」
暫しの沈黙。やがて溜め息を吐いた少女は、パチンと指を鳴らして2つ目の道を消し去った。
「ま、そうですよねぇ。そういう貴女だからこそ私は選んだんですから」
少女はニッコリと微笑むと、こう切り出した。
「加賀さん。異世界に行くつもりはありませんか?」
「……は?」
「ですから、今いるこの世界線とは別の世界に行く気はありませんか?と聞いているんです」
私はあの人に再会したいと願っている。それなのに、別の世界に行けとはどういう事なのか?
「実はですねぇ、艦娘が生まれる予定だったのにそのフラグを悉く人間がへし折ってくれやがった世界がありましてぇ」
要するに、こういう事らしい。
この妖精もどき少女(仮)の仕事は世界のバランス調整と滅びを防ぐ事。その為にはどうしても艦娘の存在が必要な世界がある。偶然に生まれればそれでよし、だがその偶然が起こらない世界が出来てしまった。何度その為のお膳立てをしても上手く行かない。そこでこの少女は一計を案じ、瀕死の私をその世界に送り込んで現地の人間に発見させ、艦娘を生み出す大元になって欲しいと。そういう事らしい。
「もちろん、このミッションが成功した暁には私が責任を持って因果率をねじ曲げて2つの世界をくっ付けて再会の場を用意すると約束しましょう!」
「……それは100%保証されるのよね?」
「う、そ、それは……」
少女は明らかに狼狽え、目が泳いでいる。それはもう物凄い勢いで……バタフライしてそうな位の勢いで。
「えぇと、あの提督さんが特異点ですから……それを計算に入れての成功確率は、約30%です」
3回に1回は失敗し、あの人に会えない。しかしもう1つの道は天文学的数字の確率の低さらしい。どちらをとるか?答えは明白だ。
「行くわ、その異世界とやらに」
「いいんですか?3割ですよ3割」
「けれど、もうひとつの可能性はゼロに等しいんでしょ?なら、私は少しでも可能性の高い方に賭けるわ」
「……そうですか、では。この光の道を真っ直ぐ進んで下さい。その先の突き当たりで異世界に転送します」
と、少女は私の腰の辺りに触れると、身体の中からぽわりと光の玉のような物が抜き出された。
「それは?」
「通行料です。貴
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ