みほちんNOW完結記念企画編
美保鎮守府NOW-Side B- PART0
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精さんと良く似た姿をした少女が立っていた。しかし、私の知る妖精さんよりもずっと大きい。しかも、何故だか灰色のトラ猫の前足を持って、びろ〜んと伸ばしている。
「あ、今私の事を妖精さんに似てるな〜とか思ってますよね?」
顔に出ていたのだろうか?普段はあまり感情の起伏が無い顔だと言われるのだが。
「それは違いますよ?寧ろ私に妖精さん達が似てるんです。言わば私がコピー元です」
「そんな貴女は一体……?」
私がそう問い掛けると、少女は猫を抱えたままうんうんと唸り始めた。
「私の正体ですか?うーん、なんと説明してよいやら……。神、あるいは悪魔。エロシーン妨害担当とか、E0のラスボスとか色んな呼ばれ方するんですよねぇ、私」
なんなんだ、この子は。
「まぁ、私の正体はどうでもいいでしょう?私の役割さえ理解していれば、ね」
「役割?」
「えぇそうです。ブルネイ第一鎮守府所属・正規空母『加賀』さん」
ますます解らない。何故名乗りもしていない私の名前をこの子は知っているのか?そもそもここはどこなのか?私は先程まで戦っていて、敵の攻撃を受けて轟沈したはずだ。全身に残った傷と痛みがそれを事実だと告げている。
「私の役割は世界の均衡を保つ事。そして、滅び行く運命にある世界に介入してそれを回避する事です」
少女がそう言うと、抱かれた猫が満足げにニャア、と鳴いた。
「さてさて加賀さん。貴女には今3つの選択肢が用意されています」
少女がそう言うと、白亜の空間だった場所に3つの光の道が現れた。
「1つは、このまま轟沈するという現実を真摯に受け止め、再び別の艦娘へと転生する道」
すると、1つの道の先にぼんやりとだが誰かのシルエットが見える。
「運が良ければ貴女の思い人の下へと戻れるかもしれない……が、その可能性はほぼゼロに近いです」
「2つ目は思い人への執念を断ち切らず、怨念へと変質させて深海棲艦へと転生する道」
今度は先程とは違う道の先にどす黒いオーラが立ち込める。その先に見えるシルエットは確かに、深海棲艦の物だ。白い肌、黒い服装と艤装。ただ、その顔立ちやサイドテールが私に似ていると思ってしまった。
「貴女程の思いの強さがあれば、その辺のヲ級やヌ級には成らないでしょう。恐らくは姫級……しかも、未だ未発見の深海棲艦『空母棲姫』として」
ゴクリ、と喉が鳴るのを感じる。ついさっきまで戦っていた相手だと言うのに……自分がその姿に生まれ変わるかも知れない、と言われた瞬間から目が離せない。それほどまでに感じる圧倒的な力。私の生まれ変わりとなるかもしれないその姿の彼女が、妖艶に私に微笑んだ。
コノ チカラガ アレバ、アノ英国カブレカラ 提督ヲ 奪イ取ル
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