第9話
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ている事に安堵の表情で溜息を吐いた。
「えっと……トヴァルさんはあの人達の事を知っているんですか?」
「シュバルツァー男爵閣下の事を”父さん”と言っていたが、まさか彼は男爵閣下の……」
リィンとトヴァルのやり取りを見守っていたアリサとガイウスはトヴァルに訊ね
「……ああ。あの黒髪の青年の方はリィン、黒髪のメイドの方はエリゼって名前で二人はユミルの領主――――シュバルツァー男爵夫妻の子供達だ。」
「ええっ!?」
「そなた達がシュバルツァー卿達の話にあった……と言う事はこの惨状を作り出したのもまさか、ユミルを襲撃された”報復”か?」
アリサの疑問に重々しい様子を纏って答えたトヴァルの答えを聞いたエリオットは驚き、ラウラは複雑そうな表情でリィンとエリゼを見つめて問いかけた。
「―――勘違いしないで下さい。私達はメンフィル帝国に所属する者としての任務を果たしただけです。それに父様達も”報復”は望んでおられません。」
「今回の作戦の目的はアルバレア公爵夫妻の殺害及びバリアハートの防衛部隊であるクロイツェン領邦軍の”殲滅”だ。その証拠に俺達メンフィル軍に所属している者達は民間人だけでなく、城館に務めているメイドや執事のような非戦闘員には決して手を出すなと厳命されているし、殲滅の対象外であるアルバレア公の次男も生かしてある。」
ラウラの問いかけにエリゼは静かな表情で答え、エリゼに続くように静かな表情で答えたリィンは気絶しているユーシスに視線を向けた。
「ユーシス……!」
「だ、大丈夫!?今助けるからね―――ヒッ!?」
リィンの視線につられるようにユーシスに視線を向けたアリサ達がそれぞれ血相を変えている中ガイウスは声を上げ、エリオットはユーシスに近づこうとしたがステラの牽制射撃によって近づけなかった。
「―――――アルバレア公の息子である彼を連れて行く事はメンフィル帝国として容認できません。」
「そ、そんな……!」
「……ユーシスをどうするつもり?」
ステラの言葉を聞いたエマは辛そうな表情をし、フィーは厳しい表情でリィン達に問いかけ
「彼の処遇を決めるのは”メンフィル帝国”だ。軍人である俺達が答えられるとしたら、それだけだ。」
フィーの問いかけに対してリィンは静かな表情で答えた。
「………彼―――ユーシスは貴族連合軍に所属していないし、ユーシスも貴族連合軍について大した情報は持っていないだろう。正直そちらにとってユーシスの利用価値はほとんどないと思われる。それでも私達が彼を連れて行くことを許してくれないのか?」
「例えどのような理由があろうと、アルバレア公の子息を見つけた以上メンフィル帝国の軍人として見逃す事はできません。」
アルゼイ
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