提督はBarにいる×ガンバスター編・その1
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鎮守府同士の繋がり強化を目指したジジィの企画だが、それを活かして普段ウチに来られないような奴を打ち合わせや情報交換の為に送り込んで来る、なんて事もある。
「ほぉ〜、本土の連中はゴタゴタに巻き込まれて大変だ」
「全くだよ。私としては愛する妻達と楽しくやれればそれでいいんだがな」
やれやれとでも言いたげに溜め息を吐き、俺の目の前の席に腰掛けた男がビールのジョッキをぐいと煽る。
「しかしまぁお前さんもよくやるよ。3人も艦娘を娶るたぁな、蔵井大佐」
「それを貴方が言うのか?『夜の帝王』の噂は大本営にも届いているよ」
そう言いながら苦笑いを浮かべてみせた蔵井大佐の容姿は金髪碧眼。白い肌に高い鼻とガッツリ外人顔だ。彼の名前は
レオハルト・蔵井。ドイツ人の父と日本人の母を持つ、日本生まれ日本育ちの珍しい日独ハーフの提督である。
「そうは言ってもよ、“中道派”のお前がおいそれとウチに顔出すのは“強硬派”の連中がいい顔しねぇだろうに」
「そこはホラ、新人研修させてもらった鎮守府だからね」
そう。この蔵井大佐も以前ウチに訪れた黄瀬の奴同様、新人の時の研修先として、ウチを選んだ『後輩』なのだ。しかしそれ以上に、蔵井は今中道派の提督だからこそウチの鎮守府に来訪するのは得策ではないと俺は警戒していた。
大本営を中心とした海軍内部は、3大派閥に分類される。1つは『強硬派』……あくまでも艦娘は兵器であり、人のような扱いはするべきではないという考えの者達が中心である。海自からの叩き上げや政府の高官からの出向組が多い。とっとと叩き潰せばいいとも思うのだが、戦果だけを見れば優秀である事には変わりなく、おいそれと手出しが出来ない相手だ。
強硬派の対極にいるのが『穏健派』……艦娘は意思を持った兵士であり、その意思は尊重されるべきであるという考え方の一派だ。勿論トップは元帥のジジィであり、俺もこの一派だと思われているらしい。俺はそんな派閥なんて物には興味もないし、考え方の似通った所はあるが強硬派とドンパチやらかそうなんざ考えてもいねぇ……まぁ、ウチの連中に手を出してくれりゃあ吝かでもねぇがな。
そしてそのどちらにも属していない連中が『中道派』……どちらの主張も賛同できないとか、態度を決めかねている連中の総称だ。蔵井は穏健派ではあるのだが、表向きは中道派を装い、情報収集や中道派の連中を穏健派に取り込むような工作をやっているらしい。ま、潜入工作員ってトコか。
「ちょっと、こんな席でも仕事の話?折角貴方の妻が3人揃って相手してるんだから、無粋な話は止めて欲しいものね!」
「そうですよアトミラールさん!ビスマルク姉様を怒らせるなんて、私が許しませんよ!?」
「アトミラールよ、仕事熱心なの
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