暁 〜小説投稿サイト〜
エターナルユースの妖精王
DAY BREAK
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しよぉ〜!!冗談で言ったのに本気にしてるよ〜!!メイド作戦」
「今更冗談とは言えねえしな、こ…これでいくか」
「聞こえてますがっ!!!?」

ひそひそ声も、ばっちり聞こえていたらしかった。







《おー、見ろよアーサー。お嬢ちゃんのメイド姿》
「……」

その一幕はこちらにも見えていた。彼等の視界に入らないようにこそこそと行動しながら、ふと見えた姿をパーシヴァルが指す。遠目なので細かくは見えないが、なかなかに可愛らしいのではないか、と密かに思った。
それに釣られるように目線を上げたニアは僅かに唇を開き、小さく目を瞠ったまま動かない。その様子に眉を顰めたパーシヴァルは、ほんの少しからかうつもりで口角を上げる。

《何、まさか見惚れてんのぉ?珍しいなあ、アンタがそういう反応すんの。水着だろうが厚着だろうが同じに見えてんのかってくらい、何のリアクションもなかったのに》
「……、…おい待て。流石にその二つの区別くらいつくぞ」
《何かズレた指摘だなあオイ》

間を置いて返って来たのはそんな言葉で、にやにやしながら顔を覗き込む。フードと長い前髪で隠れがちの顔も下から見ればはっきりと見えて、けれどその顔はいつもと変わらないようで――――いや、少し苛立っている……?
はて、何か苛立つような事でもあっただろうか。からかいはしたが、彼はこのくらいで苛つくような奴ではない。それは断言出来る。

《どうしたよ、イラッとして。スカート丈でも気になんの?》
「…まあ、そんな感じか」
《え、図星?》

まさか当たると思わなかった。
目を丸くしたパーシヴァルの方を向いたニアが、指摘されたからか苛立ちを隠さずに口を開く。

「あれはない、短すぎる。というかメイドがあの格好じゃ仕事にならないだろ普通。足首くらい、せめて膝丈は必須だ。あとヒールじゃ足が疲れる。エプロンのフリルだって邪魔だ、あんなに飾ってある必要はない。頭のあれはまだしも、エプロンに求めるのは派手さじゃなくて実用性だろう。髪型も、いつものよりは毛先がばらつかなくてマシかもしれないが、あれで仕事に来られたらイラッと来る。そもそもメイドに必要なのはああいう媚びた感じじゃなく、落ち着きとか清廉さとか、そういう方向じゃないのか」
《お、おう》
「メイド、という事は侍女だろう。あんなの人の世話が出来る格好じゃない。格好からして浮ついてる奴に自分の世話なんて頼めるかド阿保。屋敷に行ったところで追い返され……いや、相手はスケベオヤジだから逆に即採用か…?」

ぶつぶつと何やら考え込み始めたニアに、とりあえず言いたい事があった。意外とメイドってのにこだわりあるんだなあ、とかではなく。

《……アンタの世話係(ベディ)自称世話係(マーリン)、どっちも存在ごと浮つい
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