DAY BREAK
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んと手を乗せて笑ってみせれば、ニアは少し考える素振りを見せてから小さく顎を引いた。
「オレも気は配るが…見失うなよ、パーシヴァル。行き先が解ってるからって気は緩めるな」
《当然。任せとけよアーサー》
今度こそ、アンタの望むものを望むまま、望んだ通りに。
ふと脳裏に浮かんだ続きは、唇に乗せる前にそっと飲み込んだ。
時を同じくして、レストランのオープンテラスにナツとハッピーはいた。
食べられるだけ注文しまくった料理がテーブルに並び、既に空になった皿が数枚積まれている。左手に持ったパンを口いっぱいに頬張りつつ、テーブルに座って寿司を口に詰め込むハッピーに声をかけた。
「脂っこいのはルーシィに取っておこうか」
「脂っこいの好きそうだもんね」
「おおっ!!!これ、スゲェ脂っこい!!!」
次々に料理を平らげていく中で、まだ手を付けていなかった骨付き肉を掴む。切った断面から脂が滴り落ちて、こんがりと焼けた皮の上をゆっくり流れていった。
と、そんな彼等に足音が近づいてくる。ヒールの音を高く鳴らして近寄るその人には、どうやらナツ達の会話が聞こえていたらしい。腰に手を当て、やや引きつり気味の呆れた声色で言う。
「あ…あたしがいつ脂好きになったのよ……もう……」
「お!ルー…」
聞き慣れた少女の声に、口の周りに食べかすを付けたままのナツが振り返り。
「……シィ?」
視界に飛び込んできたその姿に、思わず問いかけるような形になってしまった。
「結局あたしって、何着ても似合っちゃうのよねえ」
にっこぉと笑って唇に人差し指を添えるのは、ルーシィだった。どこからどう見ても、ナツの知る彼女である。それは間違いない。
が、その服装。白のパフスリーブシャツに黒いベスト、胸元には小さなリボンを飾り、かなり丈の短い黒のスカートの上にはフリルの付いた白いエプロン。膝の上、太腿の辺りまでを覆う白のサイハイソックスに、足元は飾り気のない黒いヒールとモノトーンにまとめたコーディネイト一式。サイドアップに結わえていたはずの金髪はツインテールに結び直され、両脇に細いリボンのついたヘッドドレスが余計にそのコンセプトを強めている。
どう見ても、今のルーシィが着ているのはメイド服と呼ばれるもので――――衝撃の事態に絶句したナツとハッピーの手から、食器やら食べかけの料理やらが音を立てて落ちていく。
「お食事はお済みですか?御主人様。まだでしたらごゆっくり召し上がってくださいね、うふっ」
何かもう訳が解らず言葉を失う二人の前で、ルーシィは更に格好相応にメイドの真似事をしてみせる。どうにか意識を引き戻し立ち直った二人は顔を見合わせ、ノリノリのルーシィに聞こえないように声を小さくして話し合う。
「どー
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