DAY BREAK
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オヤジ。こー見えて色気にはちょっと自信あるのよ。うふん」
「ネコにはちょっと判断出来ないです」
胸を寄せ艶っぽい目をして見せるルーシィに、ハッピーは呆れたような声色で返す。
……その色気で値切った結果がたった千Jだったりしたのだが、それはさておき。
「言っとくけどこの仕事……アンタ等やる事ないんだから、報酬の取り分8・1・1だからね」
「ルーシィ1でいいの?」
「あたしが8よ!!!」
募集されているのは金髪のメイド。という事は、必然的にルーシィの仕事が多くなる。そもそもナツ達は屋敷に入れるのかも怪しいのだから、全てルーシィ一人でこなさなければいけないかもしれない。
その上で提示した報酬の分け方だったのだが、何だか違う受け取り方をされたようだった。思わず声が大きくなる。
「ちょ…ちょっと待て……オレ達…も、やる事…ある…」
「何よ」
苦しそうに荒い呼吸を繰り返しながら、今まで黙っていたナツが口を開いた。
「捕まったら助けてやる」
「そんなミスしません」
「魚釣りでもね、エサは無駄になる事多いんだよ」
「あたしはエサかいっ!!!!」
それから数時間後、馬車は依頼先のシロツメにいた。
自然の多い街、というのが第一印象だろうか。あちこちに木が生え、あまり背の高くない建物がいくつか集まって建っている。街の奥は少し坂になっていて、遠くに大きな屋敷が見えた。
「着いた!!!」
「馬車には二度と乗らん…」
「いつも言ってるよ」
馬車から降りて少し経ってはいるものの、ナツの呼吸は変わらず荒い。軽く震え全身に汗をかきながら吐いたセリフに、足元のハッピーがツッコんだ。
「とりあえずハラ減ったな。メシにしよ、メシ!!」
「ホテルは?荷物置いてこよーよ」
「あたしおナカ空いてないんだけどぉ〜、アンタ自分の“火”食べれば?」
それでも酔いが覚めて来たのか真っ先にレストランに向かおうとするナツに言う。それで腹が膨れるのかは解らないが、少なくとも力にはなるはずだ。あの船での光景を思い出す。
が、どういう訳かナツは少し引いたように半歩下がり、何言ってんだと言わんばかりに眉を寄せた。
「とんでもねえ事言うなあ、お前は自分の“プルー”や“牛”食うのか?」
「食べる訳ないじゃない!!!」
「それと同じだよ」
「そ…そう?よーするに自分の火は食べられないって事なのね、めんどくさー」
溜め息を一つ吐く。
とはいえ、特に空腹でもない。食べなければいいと言われればそれまでだが、レストランで一人だけ何も食べずにいるというのも何だか気まずい気がしてしまう。
どうするかと少し考えたルーシィの脳裏にふと、それが過ぎった。丁度いいタイミングかもしれない。
「そうだ!あた
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