DAY BREAK
[4/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
《いや、剣の腕が鈍ってはいけないから鍛錬に……それよりトリスタン、あそこで蹲っているのは》
《マーリンです》
《だよな。見間違いではないんだな…》
《突然「しまった―――!!!あんな事言ったらニアが決断するまで私呼んでもらえない!!!!言い出したの私だからこっちから会いに行くのも何か気まずい!!!早く会いたいけどゆっくり時間をかけて考えてもらいたい!!!うわああああ私の馬鹿!!!!うわああああああ―――――!!!!」と叫んだと思ったら、あの状態に》
《……先ほどユーウェインが「何かタイガーがビビってる!!デカい音?声?がするってビビってんだけど!!?誰だよタイガービビらせてんの、しばくぞオラア!!!」と言っていたが…これか》
《でしょうね》
《すれ違ったベディが「自滅しましたね、マーリン。…ああ、オレも早く会いたいです我が君……しばらくマーリンからの妨害もないし、次の当番では久々に、具体的には三カ月ぶりに会えますね」と嬉々としていたが、それもこれか》
《それは……》
《…どうする?》
《……次は私が出ましょう。ベディには申し訳ないですが…》
《仕方ないだろう。今のアイツにすこぶる調子のいいベディを合わせるのは酷だ》
そんな会話が繰り広げられている事を、ニアは知らない。
「言ってみれば随分簡単な仕事よねー」
まさかニアに追われているとは知らない馬車の中、やや狭い車内でナツ達と向かい合って座るルーシィがふと言った。
腕を組み俯いて酔いと戦うナツの横に座るハッピーが不思議そうに問う。
「あれ?嫌がってた割には結構乗り気?」
「トーゼン!!なんてったって、あたしの初仕事だからね!!ビシッと決めるわよ!!で、あたしの頑張りをニアに話すの」
珍しく素直に声援をくれたニアを思い浮かべる。
確かに、彼に頼りがちになってしまっていた自覚はあった。それがよくないという事も。だからいつかは独り立ちしなければならなかったし、これが丁度いい機会だったとも思う。どこか小さい子供の面倒を見るような節がある彼を、仕事の成功を持って帰る事で安心させたい。もう大丈夫だと、自分のやりたい事に戻ってもいいのだと、言葉にすれば鋭利にもなり得る事を出来る限り柔らかい形で伝えたい。もうオレがいなくても大丈夫だな、と、寂しいけれど告げてほしい。
そうしたら、そうなったら―――ニアは、あの人を探しに行けるだろうか。
「ルーシィ?」
「あ…何でもない、ちょっとぼーっとしてた」
はっとして笑うと、納得したのかハッピーはそれ以上何も言わなかった。それをありがたく思いながら、話を仕事の内容へと持っていく。
「要は屋敷に潜入して、本を一冊持ってくればいいんでしょ?」
「スケベオヤジの屋敷にね」
「そう、スケベ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ