DAY BREAK
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して女性、だろう。厳つい顔に濃い化粧、太いにも程がある腕と足、屋敷を囲む柵と同じくらい背の高い巨体。横幅はルーシィ何人分だろうか。一人二人ではまず足りない。
「御主人様!!募集広告を見て来たそうですが――――」
「うむぅ」
巨大メイドは驚くルーシィを一瞥すると、自分が開けた穴に向かって声をかける。その奥から男性の声がした、とそれから間を置かずに穴から誰かが飛び出してきた。
「ボヨヨヨヨ〜ン、我輩を呼んだかね」
肉のたるんだ顔が卑しく笑う。妙なポーズを取って現れた、三頭身ほどの小柄な男―――日の出の所有者であるエバルー公爵は、機嫌よさそうに髭を撫でた。
写真通りの姿と登場方法に目を見開きっぱなしのルーシィだが、はっとしてどうにか笑ってみせる。
「どれどれ」
「よろしくお願いしまぁす」
にっこり、完璧に愛想笑いを浮かべる。
まずエバルーの目はルーシィの胸をじ―――――っと眺め、それから足の太腿辺りをじと―――――っと凝視した。更に頭のてっぺんから足の先までを舐めるようにじろじろと見回す。
(と……鳥肌が……頑張れあたし!!)
ぞわぞわと全身に寒気が走るが、これも仕事の為だ。頑張れ、と頭を撫でた彼を思い出してどうにか耐える。こんなところで折れてはいられない。
引きつりそうな笑みをどうにか保って耐えるルーシィに、全身くまなくじっとりと見回したエバルーは息を一つ吐いて。
「いらん!!帰れブス」
「ブ……」
どうでもいいと言わんばかりに背を向けて、追い払うようにしゅっと手を払った。
「そーゆー事よ、帰んなさいブス」
「え……!!?ちょ……」
言われた一言をルーシィが飲み込むよりも先に、傍らにいた巨大メイドがぐいっとルーシィの服を掴む。突然摘ままれて手足をばたつかせるが、降ろしてはくれない。
自分が絶世の美少女だとは思わない。けれどブスと言われるほど悪い見た目をしているとも思わないし、むしろ整っている方ではないかとさえ思う。色気にだって自信はある。大した難題でもないと思っていたからこそ、この状況に理解が追い付かない。
「我輩のような偉〜〜〜〜〜〜〜い男には……」
と、エバルーの声にぴったりと合わせて、地面から四つの人影が飛び出す。
「美しい娘しか似合わんのだよ、ボヨヨヨ……」
「まあ、御主人様ったらぁ」
「お上手なんだからぁ」
「うふ〜ん」
「ブスは帰んな!!しっしっ!!」
エバルーの後ろに一列に並ぶのは、メイドだった。
一番右のメイドは巨大メイドほどではないが太い体型で、その隣は左右から押し潰したのかと思うほど縦に長い顔の形をした棒のように細い三つ編みメイド。更に隣は楕円型の顔に出っ歯、豚のような鼻で、一番左はこけ過ぎた頬に細い目
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