DAY BREAK
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の依頼だと勝手に思い込んでいたが、どうやら違うらしい。
だが、本一冊を破棄する為に二十万の報酬は不釣り合いなような……?
「焼失かあ……だったら屋敷ごと燃やしちまうか!!」
「楽ちんだね」
「ダーメ!!!確実に牢獄行きよ!!」
他人の持ち物を勝手に盗ってくる時点で、仕事とはいえ立派な犯罪なのだが、それはそれ。
「一体…何なんですか?その本は……」
「……」
「どーでもいいじゃねーか。二十万だぞ、二十万!!」
その本がとても大事なもの、もしくはそれほどの価値があってどうしても取り返したいというのなら、釣り合いの取れない報酬にもまあ納得がいく。が、破棄の為に二十万も出せる本とはどういったものなのだろう。
それをルーシィが問うが、カービィは先ほどまでの雄弁さを潜めて押し黙る。答えられないのか、答えたくないのか。詳細をこちらが聞く前に隣のナツが気にした様子もなく言うと、黙り込んでいたカービィが口を開いた。
「いいえ……二百万Jお払いします。成功報酬は二百万Jです」
……。
……二百万?
「にっ!!!?」
「ひゃ!!!!」
「くぅ!!!?」
ただでさえ高額な報酬が、十倍。二十万が、二百万。
「何じゃそりゃあああああっ!!!」
「おやおや……値上がったのを知らずにおいででしたか」
思わずソファの上に立ちナツが叫ぶ。そんな彼等を見ながらカービィがのんびりとした口調で言うが、ここに来て投下された情報に三人は全く落ち着けない。
「二百万!!?ちょっと待て!!!三等分すると……、……うおおおっ、計算出来ん!!!」
「簡単です。オイラが百万、ナツが百万、残りはルーシィです」
「頭いいなあ!!!ハッピー!!!」
「残らないわよっ!!!」
「まあまあ皆さん、落ち着いて」
両手の指を忙しなく曲げたり伸ばしたりしながら計算しようとして失敗するナツ、ちょっと信じられない数字にパニックを起こしているハッピー、比較的症状の軽いルーシィが思わずツッコんで、大混乱の三人をカービィが宥める。
……外では「この手の依頼で二百万って高いのか?」とニアが首を傾げ、《二百万とか高いだろ普通に!!!……ああ、そうだった…アンタ、金銭感覚ちょっと麻痺してるんだった……》とパーシヴァルが呆れていたが、それは余談として。
「な…な…何で急に、そんな……二百万に……」
「それだけどうしても、あの本を破棄したいのです。私はあの本の存在が許せない」
混乱から抜け出しつつも震える声で問うたルーシィに、俯いたカービィは固い声で答える。その声色に思わず言葉を失ったルーシィの、その横で。
「おおおおおっ!!!!」
突然ナツの顔が炎に包まれた。前触れもなく燃え上がったナツに
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